プロジェクトレポート

戦いの日

文:レベッカ・J・ブリマー(BFP国際会長)

昨年3月から続くガザ地区からの攻撃は、ガザ近郊に住むイスラエル市民の心身を疲弊させています。常に危険にさらされているこの地域では、PTSD(心的外傷後ストレス障害)に苦しむ子どもたちも少なくありません。このような危急の時こそ、私たちはイスラエルに寄り添い、手を差し伸べ続けたいと願っています。

ガザ地区から放たれたミサイル弾 ©Isranet

2018年11月13日、第一次世界大戦終結100周年を記念するこの日、ネタニヤフ首相は非常事態に対応するため、帰国を急いでいました。ガザ地区を実効支配するテロ組織ハマスとイスラエルとの間で、激しい戦闘が起こったのです。極秘のイスラエル特殊部隊がガザ地区内にいるのを発見され、ハマスとの間で銃撃戦が発生。ハマスの戦闘員7人が死亡、イスラエル軍の中佐も命を落としました。衝突はたちまち戦争の様相を呈し、ハマスは何百というロケット弾をイスラエルに向かって放ってきました。攻撃を知らせる警報は鳴りやまず、イスラエルの南部住民たちはシェルターにとどまり続けました。いくつもの道路が封鎖され、イスラエルはハマスの関連施設であるテロ用トンネルやハマス本部、その他の戦闘拠点150箇所を空爆(市民は非対象)。予備役兵が招集されているという噂が立つほど、イスラエル軍がガザとの境界に集まっていました。

緊急事態を見守るBFP関係者 MichioNagata/bridgesforpeace.com

今回の事態の引き金となったのは、一つの出来事だけではありません。ガザ地区での暴動は既に何カ月も続いており、何千人という武装テロリストたちがイスラエルを攻撃しています。このデモは、決して平和的なものではありません。迫撃砲やロケット弾、爆弾、手投げ弾、火炎瓶や銃が使われています。「デモ参加者たち」は怒りに満ち、危険な状態です。イスラエルとユダヤ人に傷を負わせることができるなら、何でもやるという姿勢でした。暴徒と化した群衆は繰り返し国境フェンスを破壊しようと試み、近隣のユダヤ人住民は恐怖におののいています。ハマスは、武装勢力がイスラエルのコミュニティーに近付くことができるように、国境を越える地下トンネルをつくり続けています。発火装置の付いた凧や風船は毎日のようにイスラエル領内に飛来し、火災が発生。飛来した地域の半分の森林が破壊され、何千もの野生動物が死に、せっかく育てた作物も駄目になってしまいました。

その後、停戦合意となりましたが、これは戦いが終わったことを意味するのでしょうか。全く違います。事実、ハマスは勝ち誇り、次はハイファやヤッフォを攻撃すると豪語しているのです。停戦に応じたハマスの真意は、「次の戦いに備えるために時間稼ぎをしたい」ということです。それはいつまででしょうか。明日なのか、それとも1週間後なのか、あるいは1カ月後なのか…。

このような状況下で私たちがすべきことは、シェルターや消防設備、食料などを準備しておくこと、そしてガザ近くに住むイスラエル市民を励まし続けることです。彼らを少しでも助けたいと願われる皆様には、ぜひ危機基金を通してご協力いただけたら幸いです。

イスラエルが直面する戦いは、ガザ地区だけではありません。北部はシリア、レバノンと面しており、IDF(イスラエル国防軍)が隣国からの侵攻に常に目を光らせています。イスラエルの滅亡を願うイランが、その地域で活発に活動しているからです。さらに、ロシア軍がそこにいることが状況を複雑にしています。イスラエルの指導者たちは、北側で突然、衝突が起こるのではないかと危機に備えています。既にこの地域には、イスラエルに向けられた13万のロケット弾が据えられているからです。

ネティボト、スデロット、オファキム―イスラエルの南部に位置するこれら三つの町は、名も無い田舎町でした。他の田舎町と同じように、彼らは隣人との良き関係を大切にしながら、子どもたちが静かな町の通りで自由に遊び回れることを願っていました。ところが、ある日突然、これら三つの町は全国に知れ渡ることになりました。彼らが何かをしたからではありません。何年もの間、ガザのテロリストたちの攻撃に苦しむ町として知られることとなったのです。

ネティボトのセキュリティー担当者に案内され、ガザとの国境を見守るBFP関係者
MichioNagata/bridgesforpeace.com

テロリストたちが火炎凧を放つたびに、町の住民たちは平和と希望のメッセージを書いた風船を送り返しました。悲しいことに、彼らの心からの願いは届きません。子どもたちは外で安心して遊ぶことができず、シェルターが至る所に設けられています。ミサイル警報が鳴ってからわずか15秒の間に、住民たちは安全な場所に避難しなければならないのです。

BFP(ブリッジス・フォー・ピース)のクリスチャンボランティアたちはロケット弾が飛び交う中、配達トラックに食料を積み込み、危険な地域へと向かっていきました。残ったチームは、主が彼らを守ってくださることを信じ、祈り続けました。BFPは、これらの町々の他、ガザに隣接する農家やコミュニティーにもお仕えし、必要を抱えた住民たちに毎月食料をお届けしています。

戦いやテロが激化すればするほど、私たちはイスラエル国民に対する献身の姿勢を強固にし、決して一人ではないことをお伝えしています。祈りにおいても行動においても、私たちはイスラエルと共に立ち続けます。

私たちには今、クリスチャンの皆様からの助けが必要です。罪のない市民から奪われたものを復興し、彼らを励ますことができるように、ぜひサポートの輪に加わってください。危機基金に送られたご支援は、消火装置やシェルター、またシェルターを離れられない方々にお届けする食料品の購入に使われ、危険にさらされた方々をお助けすることができます。また、火災で焼失した農業設備を回復することも可能になります。もし許されるなら、「タウンサポート」の毎月のスポンサーになることをご検討ください。タウンサポートの支援により、必要を抱える方々に定期的に食べ物を提供することができます。攻撃にさらされている方々に対する皆様の愛と寛大さに感謝をお捧げします。

BFPはイスラエルに存在する最も古いクリスチャン組織です。1964年に創立者がイスラエルに降り立った時から、私たちはユダヤ人とクリスチャンとの間に関係を築き続けてきました。イスラエル社会からは、必要な時にいつもそこにいる存在として全幅の信頼を寄せていただいています。私たちは、イスラエルに住む献身的なクリスチャンチームとして、迅速な対応を心掛け、これからもイエスの家族であるユダヤ人を全力で愛し続けてまいります。

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