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被災地巡回レポート

『西仙台教会』 中澤 竜生先生 (宮城県 南三陸)

TEXT:入路 久美子

今月から、東日本大震災のための義援金をお届けさせていただいた教会をご紹介します。今回は、西仙台教会(キリスト聖協団)中澤竜生師です。先生の5人のお子様と、60人のボランティアが素晴しいチーム力を発揮し、支援活動を継続しておられます。

宮城県、南三陸町へ導かれて

中澤竜生先生、佳子先生ご夫妻

中澤先生は震災3日後から、同じ教団の田中時雄先生(当時行方不明とされていたが、その後ご無事が判明)の捜索活動を教団先生方と共に開始。震災後2カ月以上が経つ今でも週3回、自宅から約90キロ離れた南三陸町の避難所を訪問しています。震災直後は塩釜、東松島町方面の支援をしていた先生を、主は、あえて教会がない南三陸町へ導かれました。本当に必要な物だけに絞って物資支援を行っています。例えば「子ども用のドリル1000冊が欲しい」と言う人には、できる限り集めた「ドリル」を、「耳かきが1本」欲しいと言う人には次回「1本の耳かき」を、大規模な要望から細かい要望まで、真剣に品物を探し、倉庫を尋ね、なければ購入して持っていくという徹底ぶりです。このような先生の姿勢に共感する多くの支援者が、クリスチャン・ノンクリスチャン問わず与えられています。また、人によってニーズが異なり、状況も刻々と変化する、まさに「避難所は生き物」であると先生は感じています。だからこそ単に物が行き交うだけでなく、受け取る方も渡す方も喜び合うことができる、心が豊かになる支援を心掛けています。

自宅から週3回、南三陸町を訪れるには、往復のガソリン代だけで1回1万円、月にして約12万円が掛かってしまいます。このようなガソリン代、物資の購入に必要な資金、ときにはボランティアチームに食事を振舞うために掛かる諸般の費用は膨大です。このような膨大な出費を、自ら週3回働いて得た資金で賄っておられる先生に、BFPでお預かりした義援金をお届けいたしました。

キリストの愛を伝え続けるために

「言葉だけでは届かない。頼るもの、信じるものを失った人々に対して、信じるものを持っている私達が責任を果たさなければならない。」根底にある宣教スピリットが中澤先生ご夫妻を貫き、その姿勢がボランティアと支援チームに流れています。被災者にごまかしや偽善は通用しません。まさに、毎日が真剣勝負です。特にボランティアを受け入れる際の審査には気を遣います。「勝手な行動をしない」「見返りを求めない」「自分の気持ちを優先しない」「何を言われても続ける」。主はこのような意識の高いチームを、中澤先生に与えてくださっています。そして、継続して会いに行くことによって信頼を構築しています。

人々が求める教会を建てる

中澤先生は、「キリスト教会の牧師」としてではなく「個人、中澤竜生」として避難所の訪問をスタートしましたが、今やキリスト教会の牧師であることは周知の事実です。避難所でお祈りすることもごく自然であり、周囲の人々は「お祈りっていいな〜」と自然に祈りに加わっているといいます。音楽教師をしていた女性からは「賛美を教えて欲しい」というリクエストがあり、将来的に奏楽の奉仕をお願いすることができそうです。マスメディアでも有名になった被災者とボランティアのカップルは、中澤先生の司式で5月22日に婚約式をしました。

先生が目指す教会は、現地の人々の中から求める声が上がり、建て上げられる教会です。「現地の人が現地の人を助け支えるようになり、それがいずれ教会となる。決して外から持ち込むことはしない。そのために今、私たちクリスチャンが身を粉にしてでも、イエスさまがされたようにこの地に仕え、神さまの愛を表す。今がそのときである。」と先生は考えています。主が、先生とチームを祝福し、必要の全てを満たし、さらに力強く導いてくださるように。捧げられた尊い義援金がこの地の癒しと回復のために用いられ、主の地となることを信じ、祈り続けていきたいと思います。

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