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ハイメール通信No.848 ガザの食料危機の実態

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ハイメール通信No.848 2024.3.5
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ガザの食料危機の実態
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先週、「ガザ地区で支援物資を待つ人々にイスラエル軍が発砲し100人以上が死亡した」という衝撃的なニュースが世界中を駆け巡りました。これはガザ保健省(ハマス)の発表をそのまま報じたものです。その後、イスラエル国防軍の映像や部隊の証言、位置関係などの検証で、イスラエル側は群衆には発砲しておらず、死因の大半は圧死だったことが分かりました。が、残念ながら真相はほぼ報じられず、「イスラエル=悪」という印象だけが上塗りされました。この戦争は、まさにメディア戦争でもあります。

とは言え、ガザ地区は、人々が援助物資に殺到せざるを得ない悲惨な状況にあるのは事実です。物資そのものは、戦争開始以来、トラック約1万4千台分が搬入されています。しかし、それが正しく配布されないことが問題です。物資は優先的にハマスの手に渡り、その量は全体の6割に上ると見られます。ガザ地区支援の主体であるUNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)の職員の中に、ハマスやイスラム聖戦らのメンバーが多数いるためです。親戚関係も含めると職員の半数近くがテロ組織と何らかの関係があることが明らかになっています。武装した戦闘員が支援物資を積んだトラックごと略奪、または配布を求めて近寄る住民に発砲するといったことが日常的に起こっており、これに抗議する住民が投石したり、タイヤを燃やしたりするなどの暴動も発生していました。

こうして、物資を巡り人々の怒りが頂点に達する中、今回の悲劇が起こりました。約30台の援助トラックの車列に数千人が殺到し、物資を略奪。トラックの下敷きになったり、転倒して踏まれたりして大勢の死傷者を生む結果となりました。実際、運転手らの証言によれば、その様子は襲撃そのもので、投石でフロントガラスが割れ、車も損傷、けがをした運転手もいました。

事件を受けて援助物資の空中投下が試みられ、土曜日には、イスラエルとアメリカやフランス、UAE、ヨルダン、エジプトの間で調整が行われ21回の物資投下が行われました。海上の輸送ルートも検討されている他、UNRWAではなくWFP(国連世界食糧計画)を通じて配布を試みるなど、確実な方法が模索されています。

ガザの人道危機は、国際世論を味方にしようとするハマスがもたらしたものです。地下に潜伏中と見られるハマス指導者シンワルは、「ガザの死傷者が増えればイスラエルに対する世界的な圧力が強まる」と、カタールで停戦交渉を行うハマス関係者に語りました。「イスラエル=悪」という報道が蔓延(まんえん)し、イスラエルを支持してきた国々も揺さぶられ始めています。私たちの祈りも試されています。とりなしの祈り手がさらに起こされ、たゆむことなく御心にかなった祈りを捧げ続けられますように。

「主はその御目をもって全地を隅々まで見渡し、その心がご自分と全く一つになっている人々に御力を現してくださるのです」(II歴代16:9)

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