ハイメール通信No.828 ガザの苦しみの実態
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ハイメール通信No.828 2023.12.15
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ガザの苦しみの実態
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ガザ地区で戦闘が再開してから2週間。メディアではガザ住民の犠牲ばかりが報じられ、国連総会もイスラエルを非難し停戦を求める決議を出しました。しかし、先の停戦を破ったのはハマスでした。ハマスがロケット弾攻撃を再開したため戦闘が再開したのです。めったに報じられませんが、ガザ地区の苦しみの根本原因について、ガザの人々自身の証言が上がってきています。
「私たちの一番の敵はハマスであってイスラエルではない」「家も生活もすべて失った。みんな、この愚かな組織のせいだ」「戦争が起きるたびに、ハマスが金や援助を手にする。もうかるのは彼らで、私たちは置き去りだ」。人々が今まで大々的に声を上げられなかったのは、「戦争は嫌だと言えば、裏切り者のレッテルを貼られる」からで、投獄やリンチを意味します。実際、過去に何度か起きた抗議デモは激しい弾圧で終わりました。しかし今、ハマスが市民を弾圧する余裕が無い中、こういった声が表に出始めており、イスラエル兵に「ハマスを消してくれてありがとう」とささやいた市民さえいます。
これまで、ガザ市民はハマスに人間の盾とされ犠牲となってきました。10月7日のテロ発生以降、ハマスが発射した約1万2千発のロケット弾のうち1割強はガザ市民の上に落下しています。先週7日(木)にはイスラエル南部のベエル・シェバに向けて12発が連続発射されましたが、その発射地点は、ガザ地区南部に設けられた、北部からの避難民を保護する避難所でした。
2カ月に及ぶ戦闘で多くの地下トンネルや武器庫が破壊されても、ハマスは今なおロケット弾を発射し続ける武力を保持しています。そして、隠されているこれらの大量の武器が連日見つかっている場所は、学校や民家です。ぬいぐるみの中や赤ん坊のベッドからも銃が発見されています。
また、停戦中に搬入された人道物資も、やはり懸念されていた通りのことが起きていました。ハマスが食料や物資を自分たちの車に積み込み、抗議する住民を殴って走り去る動画をイスラエル国防軍が公開しています。また、アルジャジーラTVの取材では、ガザの女性が「援助はすべて地下(注:ハマスの軍事拠点)へ流れていく。どんなに援助が入っても人々には届かない!」と訴えましたが、記者が急いでそれを遮りました。彼らの声はこうして封じられてきましたが、徐々に外に伝わりつつあります。
イスラエルは、ハマスを武装解除しガザ地区が二度とイスラエルの脅威とならなくなるまで戦いを続けるとしています。それは、結果的にはガザの人々をハマスの圧政から解放することにもつながります。今、戦後のガザの復興や新しい統治体制について、関係国や機関の間で話し合いが行われていますが、本当にパレスチナ人のためになる解決策が必要です。そのためにどのように祈るべきか、主が私たちの祈りを導いてくださいますように。続けて、ガザの人々が戦火の中で守られるように、彼らの真の救いのためにも祈り続けましょう。
「主は虐げられた者の砦 苦しみのときの砦。御名を知る者は あなたに拠り頼みます。主よ あなたを求める者を あなたはお見捨てになりませんでした」(詩篇9:9〜10)
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