ハイメール通信No.803 ジャバリヤ難民キャンプの本当の悲劇
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ハイメール通信No.803 2023.11.2
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ジャバリヤ難民キャンプの本当の悲劇
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「難民キャンプをイスラエルが攻撃!」というニュースに、世界中が心を痛めています。空爆でできた巨大な崩落現場や、建物の下敷きになった人々を救出する映像を見て、どのように祈ればよいのかと、戸惑いを覚える人もいるでしょう。
ジャバリヤ難民キャンプの最大の悲劇は、ハマスがここにテロの軍事拠点を築いたことです。人道的な場所こそが、ハマスにとって最も安全な隠れ家となります。また、イスラエルが難民キャンプを攻撃すれば、効果的に国際世論に火をつけることにもなります。まさに今日起こったことは、ハマスの戦略どおりと言うことができます。
難民キャンプを軍事拠点にするのは明らかに国際人道法に違反しています。ハマスが、弱者を顧みないどころか悪用している実態がここにあります。イスラエルは再三再四、この場所から退避するよう、住民に呼び掛けてきましたが、ハマスが退避を妨げていました。
残念ながら、ジャンバリヤ難民キャンプは、もはや「難民キャンプ」という言葉では説明がつかないほど、テロ組織の巣窟となっています。空爆でできた巨大な崩落現場は、ハマスがどれだけ地下を掘り下げて、基地を築いていたかを物語っています。イスラエル軍が、地下トンネルにあるハマスの司令部を爆撃したため、地面が崩壊し、近隣の建物も崩落しました。
ハマスに避難を阻止されていた住民も巻き込まれてしまいました。地下に武器弾薬が保管されていれば、誘爆によって、被害はさらに拡大します。誘爆による犠牲者がどれほどいるのか、今はまだ分かっていません。ガザの死者数は、ハマスやイスラム聖戦のロケット弾の誤射も含めてすべてイスラエルの攻撃の犠牲としてカウントされています。
しかし、この死者数も定かではないことが、先日のガザ地区内の病院爆発事件で明らかになりました。ガザ保健省は死者500人と速報しましたが、その後、外部識者の検証で、実際は、はるかに少なかったことが分かっています。ガザ保健省は、ハマスの監督下にあり、実態はうやむやのまま、連日新たな死者数が積み重なっています。もし発表されている死者数が事実であるならば、ハマスは自分たちのテロ活動を守るために、これだけの住民の命を盾にしていることになります。
実際、ハマスはガザ住民の命を重んじてはいません。先週(10月27日)ハマス幹部は、ロシア系のニュース番組のインタビューで、「なぜ、全長500kmとされる地下トンネルに、住民を避難させないのか」という質問に対し、「トンネルは戦闘員の命を守るためだ」と答えました。今、世界中で、ガザ地区内の食料や燃料の不足が叫ばれています。しかし、ハマスは、戦闘員(推定3〜4万人)が3〜4カ月間戦えるだけの備蓄を地下にしていると、ガザの事情に詳しい関係者が述べています。
なぜこれらの事実が報じられないのでしょう。外国人記者がガザ地区に入境するにはハマスの許可が必要となり、ハマスの意向に反する発信はできません。実際、過去にハマスに都合の悪い報道をしようとした記者が、脅迫を受け、急いで退去したことがありました。地元記者にとっては、ハマスに逆らうことは死を意味します。
私たちもまた、霊的な戦場で祈りをもって戦っています。私たちの祈りは、命のための祈りです。イスラエルの兵士、人質、ガザの人々のために、続けて祈ってまいりましょう。
私たちの格闘は血肉に対するものではなく、支配、力、この暗闇の世界の支配者たち、また天上にいるもろもろの悪霊に対するものです。(エペソ6:12)
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