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ハイメール通信No. 39 報道されていない事実 ~ガザ紛争激化について~

ほむべきかな。主。
主は私たちを彼らの歯のえじきにされなかった。
私たちは仕掛けられたわなから、
鳥のように助け出された。
わなは、破られ、私たちは助け出された。
私たちの助けは、天地を造られた主の御名にある。(詩篇124:6-8)

報道でパレスチナ情勢の悪化が伝えられています。12、13日両日で、イスラエル兵11人、パレスチナ人14人が死亡しました。今回は報道では伝えられていない現状を取り上げます。



■ イスラエル兵11人爆死:ハマス、ばらばらになった遺体をテレビで報道

12日:ガザのゼイトウンでイスラエル兵6人爆死

ガザで10日夜、イスラエル国防軍(以下IDF)は、ガザのゼイトウンにあるパレスチナ人の武器工場の掃討作戦を開始しました。

何十台もの戦車やブルドーザーが武装兵員輸送車とともに作戦に参加。20件以上の武器工場を破壊しました。数百人の武装パレスチナ人が抗戦車ミサイルやライフル、爆弾などで応戦、パレスチナ人8人が死亡しました。

12日朝6時15分、作戦を終えて、IDFが撤退しようとしたところ、ハマスが仕掛けた100キロ級の爆弾が武装兵員輸送車を直撃しました。輸送車には6人の兵員の他、作戦に使う武器が大量に積まれていたため、大爆発をおこす結果となりました。爆発の大きさは3~4階だてのアパートが吹き飛ぶほどだったと、パレスチナ側の報道は伝えています。

乗っていた6人のイスラエル兵の体は、破片となって数百メートルにまで散らばり、付近の家屋の屋根にも遺体の一部が付着しました。

ハマスは散らばった遺体の肉片を集めて、地元テレビに出演。イスラエルに遺体返却の条件をつきつけてきました。(ハアレツ5月12日)

その後、IDFの駐屯地に、緑のバンダナに黒マスクを付けた(ハマスのユニフォーム)ハマス戦士が、駐屯地から500メートルほどのところに立ちました。背後には抗戦車ミサイルなどが臨戦態勢で待機していました。ハマス戦士の手には袋がありました。

彼は、その中から人間の指を取り出し、「これはヤシンのために!残りがほしければ、囚人(イスラエルに収監されているテロリスト)を返せ」と叫びました。目撃者の証言によると、ハマス戦士とともに、黄色のバンダナのイスラム戦線、ファタハなど過激派グループがいっせいにイスラエル兵殺害の「戦功」争いをしていたと言います。(ハアレツ5月13日)

イスラエル政府は武装勢力との交渉はいっさいしないことを決め、爆破のあった地域を完全に閉鎖。兵力を増強して、強行に遺体の回収を始めました。激しい交戦の中で、捜索が続けられました。その後、エジプトの仲介でようやく武装勢力が妥協に応じ、遺体の入った袋は、パレスチナ自治政府のガザ治安当局の手に渡され、イスラエルに返されました。12日夜、IDFのラビが遺体の組織片が全部そろったと宣言し、捜索は中止されました。

犠牲者の遺体は家族にひきとられました。遺体とはいえ組織片であるため、4人分に関しては一緒に葬ることになりました。(マアリヴ5月13日)

<祈り>

  1. 大事な息子たちを失った親たちのためにとりなしましょう。
    武装勢力で死亡したパレスチナ人青年の親たちのためにもとりなしましょう。
  2. ガザ地区全体をとりなし、残虐な破壊と殺戮をおこす力が敗北するように。

13日:ガザのラファ近郊で、「地下トンネル掃討作戦」中イスラエル兵5人爆死

翌13日、エジプトとの国境近く、ガザ地区のラファにおいて、武器密輸に使われている地下トンネルの掃討作戦計画が進行中でした。

上記と同様に、武装兵員輸送車がラファ近くに達したとき、輸送車が爆発。作戦に使う1000キロの爆弾が大爆発しました。

乗っていた5人のイスラエル兵の体はばらばらになって吹き飛び、一部はエジプト領内に散乱する結果となりました。

それらはエジプト政府の協力によってイスラエルに手渡されています。しかし残りはラファ難民キャンプに落ちたため、捜索は困難とみられています。

ラファの周りには多くの地雷が埋められており、ラファ自体が大きく、完全封鎖ができないからです。(ハアレツ5月13日)

13日午後、IDFはイスラエル空軍の援護を受けて、現在ラファでの捜索を行っています。(マアリヴ)

12、13日の二つの作戦で、スラエルは11人の兵士を失いました。

どちらも多量に弾薬を積み込んだ輸送車が原因であったため、リスクマネージメントが問われています。しかし、この犠牲によって多くの武器工場、武器そのもの、武器輸送トンネルが検挙、押収されたことをIDFは強調しています。

この衝突で、死亡したパレスチナ人武装勢力は14人、負傷者は175人に上ります。(ハアレツ)

<祈り>

  1. 今現在、ガザで任務に就くイスラエルの兵士一人ひとりの安全のために。
  2. 遺体が早くイスラエルの手に帰るように。
  3. 捜索中、武装闘争が最小限に抑えられ、早く作戦が終わるように。

■ シャロン首相の「ガザ撤退」はイスラエルとって益なのか、害なのか

シャロン首相の「一方的分離案」と「ガザ撤退案」は、先週リクード党内の審議投票で否決されました。しかし、イスラエル国民一般は、シャロン首相の方針を支持しているとみられています。シャロン首相は「ミニ・ガザ撤退案」など妥協策を検討中でした。ハアレツの記者アルフ・ベン氏は今回のガザにおける悲劇から、シャロン首相の「一方的分離案」と「ガザ撤退」について、次のように解説しています。

この2日間の悲劇は、「一方的分離案」が成立しえないことを証明している。

話し合いをせず、責任ある指導者に治安管理を任せることなしに、ガザから撤退することが、パレスチナ人からの完全な分離につながるとは考えられない。様々な過激派グループがそれぞれの思惑のままに、イスラエルを攻撃し続けることが予想されるからである。イスラエルに対して暴力が行われれば、イスラエルは防衛措置として、結局ガザに侵攻せざるを得なくなる。「一方的分離」が非現実的であるのは明白となった。

今回の事件では、撤退したライン(一時的な分離線)にのみ軍隊を駐屯させることでは、治安維持はできないことも証明している。武器工場や、武器トンネルは、イスラエル軍がガザ内部にいても造られている。ましてや軍がいなくなれば、いくらでもこれらを作れるということである。

シャロン首相案では、武器輸入トンネルが多数ある道路は放置されることになっている。もし武器輸入トンネルを放っておくなら、長距離カチューシャロケットが簡単に持ち込まれるようになる。それは、将来イスラエルにとって致命的だ。

しかし反面、イスラエルの一般民衆は今回の犠牲で、撤退を支持するかもしれない。もしイスラエルが敗北しつつあるならば、早く逃げた方がいい。しかしそれはテロリストにご褒美を与えるだけの結果になるであろう。(ハアレツ5月13日)

15日、マアリヴ紙(イスラエル有力紙)の世論調査

79%のイスラエル人がガザからの撤退を支持
40%は即時無条件撤退を支持
39%は交渉の上での撤退を支持

*労働党ら左派は、ガザからの撤退を求めて大規模なデモを行っています。

<祈り>

  1. 出口のない戦いに巻き込まれているイスラエルを主があわれんでくださるように。
  2. イスラエルの指導者たちを特にあわれんで、知恵を与えてくださるように。

■ 貧困層5%アップ:麻薬中毒者は放置

国家保険機構(NII)の調査によると、昨年度の福祉カットにより、貧困と分類される家族数が5%以上増えました。

具体的には1万5000家族が貧困者の仲間入りをし、34万家族が貧困の部類に入ったことになります。イスラエル総人口では、128万人(人口の21.2%)が貧困です。(ハアレツ5月11日)

イスラエルには麻薬中毒に侵されている人が25,000人いると言われています。そのうち、具体的に治療を受けているのは6,000人にすぎません。入院にいたってはわずか1,200人が収容されているだけです。経済危機から、イスラエルは、十分な治療施設を提供することができないのです。(ハアレツ5月7日)

*メシアニック・ジューの教会の中には、麻薬中毒者への伝道、リハビリテーションを行っているところもあります。

<祈り>

  1. BFPからの支援がもっとも必要な家族にとどくように。
  2. BFPで奉仕しているスタッフがかかわっているすべてのイスラエル人家族の救いのために。
  3. 現地の教会が麻薬中毒者への救いとなれるように。
    必要が満たされるように。

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