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ハイメール通信号外 詩篇130篇の祈り  ~ガザ大規模戦闘続く~

ガザでの戦闘が続いています。30日現在、ガザでは345人が死亡し、イスラエル側では市民4人、兵士1人が死亡しました。

イスラエルのガザ周辺住民は、シェルターに避難生活を強いられています。またガザから40Kmの町にもミサイルが着弾し、ベエルシェバでもシェルターの準備がなされています。ガザの病院は負傷者であふれかえり、悲惨な状況が続いています。

アメリカのあるユダヤ人団体がスデロット(ガザに最も近いイスラエルの町)の住民を守るため、警報をメールで配信し、そのたびに詩篇130篇を読んで祈るプレイヤーチェーンを始めました。

サインアップした人の数はすでに16,000人に上っています。私たちも詩篇130篇に黙想し、イスラエルとガザ地区のパレスチナ人のおかれた状況を主に訴え、主のあわれみと助け導きを求めましょう。

主よ。深い淵から、私はあなたを呼び求めます。 
主よ。私の声を聞いてください。
私の願いの声に耳を傾けてください。
主よ。あなたがもし、不義に目を留められるなら、
主よ、だれが御前に立ちえましょう。
しかし、あなたが赦してくださるからこそ
あなたは人に恐れられます。
私は主を待ち望みます。
私のたましいは、待ち望みます。
私は主のみことばを待ちます。
私のたましいは、夜回りが夜明けを待つのにまさり、
まことに、夜回りが夜明けを待つのにまさって、
主を待ちます。
イスラエルよ。主を待て。
主には恵みがあり、
豊かな贖いがある。
主は、すべての不義から
イスラエルを贖い出される。(詩篇130篇)



■ これまでの経過と今後

24日(水)午前11時30分(日本時間午後4時頃)、イスラエル空軍機64機がガザを空爆。ハマス関係施設50-100カ所に100トンの爆弾を投下し、1967年の六日戦争以来の大規模攻撃となりました(Cast Lead作戦)。

最初の空爆でハマス指導者3人が死亡。日曜日には空爆とともにガザ沖から海軍の砲撃も加わって、ガザとエジプトの間のラファ国境線にあるトンネル40本が破壊されました。空爆は現在も続き、30日現在、ガザでの死者は345人を越えました。

イスラエル軍は空爆に先駆け、ガザ住民すべての携帯電話に「自宅にハマスの拠点や武器をおいている人はできるだけ家から離れるように」とのメールを発信しました。しかし、これまでに少なくとも15人の民間人が巻き添えで死亡しています。

ガザとの国境では、地上軍が侵攻できるように続々と待機、予備役兵も6,700人が招集されています。29日待機中のイスラエル軍へ砲撃があり、兵士一人が死亡しました。ハマスは地上軍が入ってくるのを挑発しているとの味方もあり、司令官たちが正しい判断をするようにとりなす必要があります。

ガザからはカチューシャロケットやグラッドミサイルがイスラエルに向けて100発以上が着弾しており、スデロットなどガザから半径20Km以内の住民はシェルターの中で避難生活を続けています。

学校は休校、シェルターの中で授業する計画が進められています。また、グラッド・ミサイル(カチューシャより高性能で射程が長い)が使われており、29日ガザから30Km以上離れたアシュドッドのバス停を直撃、イスラエル人女性(39)1人が死亡しました。

同じ日にアシュドッドとナハル・オズでもそれぞれ犠牲者がでています。先週、攻撃が始まって数時間後、ネティボットで亡くなった1人に続いて犠牲者は4人になりました。

国防軍の国内防衛対策部では、警報発令をガザから半径40Kmにまで拡大しました。ベエルシェバでもシェルターの準備が始められています。1973年のヨム・キプール戦争以来の戦闘準備態勢です。

<西岸地区に飛び火>

今回の空爆を受け、東エルサレムなどのイスラエル在住アラブ人が、タイヤやイスラエルの国旗を燃やしたり、国境警備隊員に投石したりするなどの反イスラエルのデモを行っています。

30日、西岸地区の町モディーンでは、アラブ人がイスラエル人4人を刺して負傷させ、逮捕されました。サマリアに近いカドゥミームでも60才の男性が刺されて負傷しています。この他、投石や爆弾を投げ入れるなどの暴力行為が各地で報告されています。

西岸地区指導者のアッバス議長は、暴力の収拾がつかなくなることを懸念し、「イスラエルとの停戦を継続するようハマスに警告してきた。今回の戦闘を、ハマスは避け得ることができたはずだ。これはハマスの責任だ」と語りました。

<エジプトへ逃げるガザ住民>

空爆が始まって間もなく、ガザとエジプト国境ではガザの住民が越境しようとして壁を打ち壊し、エジプト軍と衝突しています。エジプト兵約300人が破壊された分離壁を修復するために奔走しています。アラブ人たちは、ラファの国境に集まり、ガザ住民を受け入れようとしないエジプトに抗議し、「イスラエルへの協力者だ」と非難しています。

<ガザ住民を受け入れるアシュケロンのバルジライ病院>

ロケット弾で死者を出したアシュケロンのバルジライ病院が、ガザから来る数十人の負傷者を受け入れて治療しています。その中の一人は2カ月の女の子で、連れてきた祖母はテロリストを恐れて身元を明らかにしていません。

ガザでは病院も薬品も乏しい中で負傷者がおしよせています。病院では、霊安室に遺体を収容しきれなくなり、常温の部屋に遺体が収容されるようになっています。

激しい戦闘が続いていますが、イスラエルはガザへ医療物資と食料を積んだトラックを28日には23台、29日には63台、30日には100台送り込みました。この他にもイスラエルは医療機器が配備されている救急車10台をガザ地区に提供しています。

30日、キプロスから3.6トンの医療物資とボランティアの医師、看護師16人(アメリカ人)が船でガザに入りました。医師3人がガザに残り、治療にあたっています。

■ 国際社会の反応

<アラブ諸国の反応>

アラブ諸国では、イランのイスラム最高指導者ハメネイ師が、イスラム教徒はパレスチナの同胞を支援しなければならないと全イスラム社会に訴えました。

レバノン、エジプト、ヨルダンでは、数千人規模の大きなデモがおこっています。また、ハマスの軍事部門責任者のカリッド・マシャアルが、アラブ諸国全体のイスラム教徒に、反イスラエルデモを行うように呼びかけました。

トルコはイスラエルとシリアの和平交渉を仲介してきましたが、保留とする方針を決めました。

24日のガザ空爆に先駆け、南レバノンでイスラエルを標的にしたタイマー付きミサイルが発見されました。ヒズボラのナスララ党首は「2006年のレバノン戦争のときのように、イスラエルはレバノンをも攻撃しようとしてタイマーつきミサイルを仕組んだ」と語っています。

*イスラエル軍は北部に駐屯させていた部隊をガザ方面へ移動させています。レバノンとの戦闘を計画していないことは明確です。

トルコとエジプトは、もしイスラエルの地上軍がガザに侵攻した場合、レバノンからヒズボラが再度攻撃する危険性があると警告する方針をかためています。

<アメリカ・国際社会の対応>

アメリカは、イスラエルの正当防衛を認める立場を取っています。穏健派のサウジアラビア国王とヨルダン国王は、ブッシュ大統領に戦闘をやめさせてほしいと要請しました。ブッシュ大統領は、「戦闘を止めさせたい。しかし今止めてもすぐあらたな戦闘が始まるだろう。イスラエルは自国民を保護する権利がある。停戦に導く方法は一つしかない。ハマスがイスラエルへの攻撃をやめることだ。」と語りました。

EUでは30日、パリで緊急の外相会議が開かれる予定です。EUからもガザへ緊急支援物資が届けられています。フランスが停戦への仲裁に動き始めていますが、オルメルト首相、バラク国防相は、ハマスの停戦は信用できないとして応じないかまえです。

国連では28日、15ヵ国からなる安全保障理事会が開かれ、バン・キ・ムーン事務総長も加わって、双方は暴力をすぐに停止するようにとの声明を出しています。

<国際世論へ理解を訴えるリブニ外相>

イスラエルのリブニ外相はロケット弾攻撃の続くスデロットで記者会見を開き、イスラエルが戦闘に至った経緯を語り、イスラエルへの理解を強く求めました。

概略・・「ハマスは、国際社会のルールに従わないテロ組織であることを思い出してほしい。これはイスラエルとハマスだけの問題なのではない。戦いは穏健派と過激派アラブの戦いでもあることを理解しなければならない。

昨年のアナポリス国際会議で、イスラエルはパレスチナ国家の設立を目指して歩んできた。しかし中東では穏健派とだけ合意したのでは平和は成り立たないのである。

ハマスのような過激派とも合意に至らなければ、平和は成り立たない。先に停戦を破ったのはハマスである。ハマスの攻撃でイスラエル市民が危険にさらされる。しかしそれでもイスラエルは忍耐を続けてきたのである。

ハマスに対し忍耐を続けてきた結果、彼らは「イスラエルはなにもできない。国際社会はイスラエルを攻めるにちがいない」と考えている。それが間違いであることを示さなければならない。

社会は武力の強い方に厳しいものだ。メディアはガザでの殺戮の写真を見ている。もちろん社会はそれに対して考えなければならない。しかし、それを招いたのはガザを支配するハマス自身であることを知ってほしい。

前に証拠フィルムを見て頂いたが、ハマスは子どもたちの校庭からミサイルを発射する。イスラエルは、攻撃の前に、ガザの住民に対し、ハマスの建物から遠ざかるように警告している。イスラエルは殺戮をしない国である。たとえ武器があってもハマスのように使わないし使いたくもない。しかし、忍耐にも限界がある。

2005年イスラエルは自国民に痛みを強いてまでガザから撤退した。決してガザを再び占領することを願って攻撃しているのではないということを知ってほしい。イスラエルは6カ月前にハマスとの停戦にも応じた。できることはすべてやった。しかし、今イスラエルが直面しているのは、さらに射程をのばしたハマスのミサイルなのである。

平和をもたらすのは、武力だけではない。メディアが鍵を握る。ハマスは国際社会のルールに従わないテロ組織である。イスラエルは国連に加盟する正式な国家である。この二つを正しく認識してほしい。

<大規模戦闘の目的:なぜ今回の戦闘が始まったか>

12月19日、エジプトの仲介でハマスとイスラエルが合意に至った停戦期限が切れました。ハマスは、停戦継続はしないと宣言し、イスラエルに向けて連日200発以上のロケット弾を撃ち込んできました。

死者負傷者は出ませんでしたが、通学中の子どもたちのすぐ近くに着弾し、一般家屋にロケット弾が突っ込むなどしてショックで治療を必要とする人が続出する混乱となりました。

ガザのハマスを強硬に一掃してほしいと叫ぶ国内世論に対し、イスラエル政府は、総選挙前であり、捕虜となっているイスラエル兵士シャリートさんへの配慮から、大規模作戦は控えていました。ハマスはこの間、「イスラエルはハマスの前に反撃できない」と挑発的なメッセージを送りつけ、攻撃を続けていました。

さらに、エジプト側国境からは大規模なトンネルが掘られ、最新式の武器やテロリストがガザへ入りこみ、イスラエル住民の最大で8割がミサイルの危険性にさらされているとの情報分析がありました。(現時点で70万人が射程に入ったと分析されています)

これらの状況から、政府は「忍耐の限界」に達し、空爆に至った模様です。バラク国防相は、今回は徹底的にハマスを壊滅させる方針で、戦闘は長期化する見通しです。


■ 総選挙延期の可能性

イスラエルでは2月10日に総選挙が予定されていますが、戦闘が長引いて市民がシェルターに入るような状況が続けば、選挙が延期される可能性が出てきました。1973年のヨム・キプール戦争当時に、10月30日に予定されていた総選挙が12月31日に延期されたという前例があるからです。

そうなると退陣を迫られていたはずのオルメルト首相が引き続き戦争の指揮をとり続けることになります。リクードのネタニヤフ党首は、イスラエル政府が自国民を守ってハマスに強硬な態度をとっていることに歓迎を表し、「同意できず互いに戦う時がある。また一致して戦うときがある。今は一致するときだ。」とコメントを述べています。

<国内でも割れる意見>

ガザで行われているCast Leard作戦に反対するアラブ系大学生と左派ユダヤ系学生数百人がハイファ大学、エルサレムのヘブライ大学、テルアビブ大学で政府に対する抗議行動を行っています。

学生たちはバラク国防相を「子ども殺し」と呼んで激しく非難しています。その反対側ではイスラエルの国旗を振り、ハマスを徹底的に壊滅させろとする右派学生が対抗運動を行い、治安部隊に衝突を仲裁される騒ぎもおこっています。

■ 戦争長期化が及ぼす経済への影響

大規模な作戦展開で、国防費がうなぎのぼりどころではなくなっています。しかし、今後予備役兵がさらに招集される可能性があり(一人につき一日450シェケル)、彼らが職場に与える損失を国防費から補填することになります。

さらに今後もガザ周辺地域の防衛は強固にかためなければならず、もしイスラエル軍がガザを制覇してその住民の暮らしにも介入するようになれば想像を超える出費が必要になります。

2009年度の国防予算は48.8億シェケル(イスラエルの新年度は10月に始まる)でしたがバラク国防相はここ数カ月の間にすでに3億シェケルの追加を請求しています。

<祈り>

  1. 指揮を取るオルメルト首相、バラク国防相、アシュケナージ参謀総長3人の指導者を覚えて。
    一つひとつの決断を神によってすることができるように
  2. ガザ周辺住民、戦闘に出ているイスラエル兵たち(特に主を信じている兄弟たち)を覚えて
  3. ハマスの人質となっているギラッド・シャリートさんを覚えて
  4. ガザの一般住民、子供たちを覚えて イスラエルの攻撃に巻き添えにならないように
  5. デモや暴力的な抗議行動を行っているパレスチナ人や中東のアラブ人の心が静められるように

ニュース情報源:GPO(イスラエル・プレスセンター)、イスラエル外務省HP、ハアレツ、エルサレムポスト、アルーツ7、イスラエルインサイダー、CNN、BBC、イスラエル国防軍HP、外務省HP、アル・ジャジーラなど

画像提供:www.israelimages.com、Isranet他

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