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プロジェクトレポート

ユダヤ人を祖国へ連れ帰ろう

文:ピーター・ファスト(BFP次期CEO)

BFPは先日、エチオピア系ユダヤ人の帰還に同行する特権にあずかりました。
イスラエルからこれほどの信頼を得られたのは、
長年にわたる皆さんの忠実なご支援のおかげです。

エチオピア系ユダヤ人の帰還に同行したピーター・ファスト(写真中央)
Photo by BFP本部

先日、BFP(ブリッジス・フォー・ピース)を代表し、エチオピアのアディスアベバ行きの飛行機に乗りました。今回の訪問は、イスラエルの準政府機関「ケレン・ハヤソッド」が企画したものです。同団体は、BFPと同様にユダヤ人のイスラエル帰還を支援し、聖書預言を実現することを目的としています。

世界中から集まったケレン・ハヤソッドのリーダーたちと共に向かったのは、エチオピア北西部のゴンダール市です。エチオピアに残る最後のユダヤ人コミュニティーを、村から村へと訪ねました。

ゴンダール市を旅していると、2700年前にタイムスリップしたような気分になります。太古の昔にクシュと呼ばれ、創世記2章13節に初めて登場するこの地に、何万人ものエチオピア系ユダヤ人が暮らしてきました。学者たちによると、彼らの祖先は、2700年前にアッシリア人によって散らされたダン族と考えられています。

彼らの貧困ぶりは目に余るものがありました。子どもたちは泥水を飲み、電気や上下水道設備は見当たらず、病気もはびこっています。女性たちは何時間も歩いて市場や井戸へ行き、男性たちは牛に木製の鋤(すき)を取り付けて畑を耕していました。エチオピア北部に広がる飢饉(ききん)と内戦の影響により、食料難は日常茶飯事です。約3m×3mほどの小さな家屋は泥とわらでつくられ、骨組みはユーカリの枝で、スチール製の屋根は波打っています。土の床は貧困の証しです。そんな小さな家屋が14棟も連なる中に、配管の無い共同トイレが一つありました。

10年越しのアリヤー(イスラエルへの移住)を控えたユダヤ人家族を訪ねると、家の外壁にダビデの星が描かれていました。ご主人と7人の子どもたちが見守る中、母親が授乳しながら話に応じてくれました。プレゼントを渡すと、感謝のしるしに父親が私の手に口づけしてくれました。

外壁に描かれたダビデの星 Photo by BFP本部

貧困を目にしたショックから立ち直った私は、帰還を間近に控えた彼らの顔に希望と喜びを見ました。神が契約を誠実に守られることに畏敬(いけい)の念を覚えずにはいられません。

1984〜1985年、エチオピア系ユダヤ人の奇跡的な救出劇に参加した、ミハ・フェルドマン氏は言います。「彼らは世界で唯一、イスラエルへの帰還を説得する必要のないユダヤ人コミュニティーです」。彼らは、アブラハム、イサク、ヤコブの神に信頼を置き、2千年という時を経て神の誠実さを証明しました。

しかし、彼らの帰還の歴史には深い苦しみの傷痕があります。1977〜1984年、何千人ものエチオピア系ユダヤ人がエルサレムを目指しました。幼い子どもや妊婦、高齢者を連れ、3124kmに及ぶ危険な旅です。当局にも追われ続けました。

私たち代表団に同行したアダニ氏も1977年、エチオピア系ユダヤ人が初めてイスラエルに向かったグループの中にいました。当時15歳。その体験談はまさに現代版出エジプト記です。昼間は追ってくる政府軍から身を隠し、夜な夜な山や谷を越え、途中で命を落とした人も数知れません。アダニ氏一行は最終的にスーダンにたどり着いたものの、敵対するスーダン軍に捕らえられ、難民キャンプに収容されました。その後、2万人近いエチオピア系ユダヤ人が同じ足跡と運命をたどりました。

収容所の環境は劣悪で、アダニ氏の兄妹も含め何千人もの人が病気や飢えで命を落としたそうです。けれども、イスラエルの神は彼らを見捨てませんでした。1984〜1985年にかけて行われた「モーセ作戦」で、イスラエルは大胆な秘密作戦を決行し、エチオピア系ユダヤ人を救出したのです。

その後、イスラエルは1991年に「ソロモン作戦」を決行。36時間の停戦中にアディスアベバから1万4325人のエチオピア系ユダヤ人を「鷲の翼」(出19:4)に乗せて救出しました。それから32年がたった今も、イスラエルへの帰還を待つ人が何千人も残されています。

私たち一行が搭乗したイスラエルへの帰国便には、エチオピア系ユダヤ人の姿もありました。飛行機の窓から初めてイスラエルの地を目にした彼らは、着陸と同時に神を賛美し、歌い出しました。ついに帰還が実現したのです!

この物語はまだ完結していません。昨年帰還したエチオピア系ユダヤ人は1500人。私たちが先日お会いした次の帰還グループも1500人です。しかし、まだ数千人が残されています。イスラエルは全員を故郷に連れ戻すことを約束していますが、その費用は膨大です。だからこそ、私たちは支援を継続しています。

BFPは、神の預言(エレ16:14〜15)に従い、神の民の帰還を支援するという召しに応えています。世界中のクリスチャンも協力の手を差し伸べ、イスラエルと共に帰還を実現させようとしています。政府は今後数カ月のうちに次のグループを帰還させると約束しました。実現には皆さんの助けが必要です。私たちは、ダン族がイスラエルに帰還する一翼を担うことができるのです。

聖書を信じ、神が愛されるものを愛する世界中のクリスチャンが行動を起こし、最後のエチオピア系ユダヤ人を救い出せますように。ダン族が2700年ぶりにイスラエルの地に戻ってくる姿を共に目撃し、主をほめたたえましょう。

「帰還者支援」へのご支援方法は、下記バナーよりリンク先をご覧ください。

※ 銀行口座への送金の際は、必ずご連絡をお願いいたします。

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