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プロジェクトレポート

私たちは共に涙に暮れています

文:レベッカ・J・ブリマー(BFP国際会長)

ウクライナの悲惨な状況に心を痛め、涙しない日はありません。
必要は膨大です。しかし、私たちはひるみません。
この惨状に立ち上がってくださった世界中のBFPファミリーの力強い祈りと支援があるおかげです。

イスラエルに到着したウクライナ系ユダヤ人たち 🄫Eli Mandelbaum/The Jewish Agency

町の至る所に爆弾が投下され、建物やインフラを破壊し、家族を引き裂いていく……。そんな悲惨な光景を目にし、涙がとめどなくあふれてきます。今、世界が直面しているのは、第二次世界大戦以来の最大の難民危機です。

地下鉄構内に避難するウクライナ市民
🄫The Jewish Agency

ウクライナから避難しようとする人々を襲うのは、戦車や爆弾、ミサイルだけではありません。凍えるような寒さ、燃料不足や食料不足との闘いもあります。列車の乗車率は何倍にも膨れ上がり、避難民は誰一人、大きな荷物を持っていくことができません。

そんな中、私はある写真を見て胸が震えました。それはポーランドの駅に置かれたたくさんのベビーカーの写真です。現地の母親たちが避難民のためにプレゼントした物だそうです。避難民は、わずかな手荷物を抱えて命懸けで越境し、低体温と空腹に苦しみながら避難先に到着します。涙を禁じ得ない状況に、誰もが何かをせずにはいられないのです。

ホロコースト時代、ユダヤ人は自分たちを受け入れてくれる場所を必死に探し回りました。しかし残念ながら、助かったのはほんの一握りの人々だけです。当時は、ユダヤ人であるということは死刑宣告に等しく、誰もがユダヤ人という出自を隠そうと必死でした。旧ソ連時代のウクライナで生まれ、今はイスラエルの政治家であるナタン・シャランスキー氏は、今回の状況について次のように語っています。

「何千人もの(ウクライナの)住民が、昼夜を問わず(国境に)立ち続ける姿を見ながら、私は過ぎし日を思い出していました。今、彼らが国境を越える際に助けとなる言葉があります。『ユダヤ人』です。もしあなたがユダヤ人なら、国境の外にあなたを心配して待っているユダヤ人たちがいます。……あなたには出国できる大きなチャンスがあるのです。世界は変わりました。私の子ども時代には『ユダヤ人』は不幸な呼称でしかありませんでした。しかし今日、ウクライナの国境にいるユダヤ人は恵まれた状況にいます。彼らには向かうべき場所があり、国境の向こう側で家族や同胞が待っているのですから」

ウクライナから脱出しようとする避難民たち
🄫The Jewish Agency

今やイスラエル国家は、危険にさらされているユダヤ人にとっての安住の地なのです。

救出活動には多大な労力を要し、リスクも高く、費用もかさみます。ほとんどの避難民はわずかな所持品しかないため、多くの助けが必要です。BFP(ブリッジス・フォー・ピース)はイスラエルと協力し、一人でも多くのユダヤ人をイスラエルに連れ戻すよう努力を続けています。

モルドバ(及び他のウクライナ近隣国)にいる「救出作戦」の協力スタッフは、トラウマを抱えたユダヤ人がイスラエルに帰還できるよう24時間体制で働いています。ある年配のクリスチャンスタッフは一日に35〜50人を助けています。私たちは、その働きを助けるべくバンを購入することに決め、その日のうちに行動に移しました。

ポーランドと西ウクライナにいる「希望の糧」チームは、ポーランドに到着した避難民に食事を提供しています。助けを必要とする人がいる限り、支援を続けていくつもりです。エゼキエル書39章28節で主はこのように言われました。「……このとき彼らは、わたしが彼らの神、主であることを知る

イスラエル国内には、ウクライナ出身のユダヤ人が約50万人います。彼らが感じている痛みとショックは社会全体に影響を及ぼすほど大きなものです。私たちも彼らと共に泣いています。そして、祈り、行動しています。そんな時に励ましとなるのが詩篇のことばです。「彼らは涙の谷を過ぎるときも  そこを泉の湧く所とします。……彼らは力から力へと進み シオンで神の御前に現れます」(詩84:6〜7

「救出作戦」と「希望の糧」に寄せられる皆さんからのご支援により、私たちはユダヤ人を救出しつつ、食事も提供することができています。また、「食料支援」に寄せられるご支援は、ここイスラエルでユダヤ人を養う際の助けとなります。

今こそ、私たちが仕える者として生きるために神が選ばれた時だと確信しています。ウクライナにはまだ20万人のユダヤ人がいるとされ(3月上旬時点)、今この時も助けを求めています。彼らの窮状に対し、皆さんが心を向け、お捧げくださっていることに感謝します。

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