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プロジェクトレポート

ガリラヤに忍び寄る戦争の危機

TEXT.レベッカ・J・ブリマー(BFP国際会長)

アメリカを始めとする先進国の経済制裁解除を受け、イランは潤沢な資金をテロ組織に送金しています。中でも、イスラエルを無きものにしようとするレバノンのテロ組織ヒズボラの脅威が増しています。BFPの北部の拠点、北部フードバンクのあるカーミエル市から、緊急の要請を受けました。

防衛の柱作戦の時にシェルターで身を寄せ合う子どもたち IDFonline/flickr.com/Dima Vazinovich

ヒズボラの脅威

この数カ月間で、イスラエル北部の国境沿いに、戦争の脅威が迫っています。レバノンに拠点を置き、イランから援助を受けているテロ集団、ヒズボラが、ミサイルやロケット弾などを増強しています。ガリラヤ湖にまで届く、イスラエル北部全体を射程範囲内に収めており、ハイファにあるアンモニア生産工場を狙って核爆発同様の被害を起こすことができると脅しをかけています。

ヒズボラの指導者、ハッサン・ナスララは「数発のミサイルで数カ所の工場を攻撃すれば、原爆一発相当の死者が出るという簡単な計算だ。イスラエルには世界最強の空軍がある。だが我々も同様に、少ない武器でアンモニア工場を攻撃することでイスラエルに大規模破壊をもたらすことができる」と言っています。

カーミエル市

最近、私はBFP(ブリッジス・フォー・ピース)カーミエルのオフィスで、市の警備責任者、モシェと話す機会がありました。カーミエルはレバノンとの国境から南に16.1㎞に位置する人口5万人の街です。ですから、カーミエルもヒズボラのミサイル攻撃の射程内にあります。

モシェは2006年に起きた戦争の時のことを話してくれました。わずか10年前、ヒズボラはイスラエルに3800発近くのロケット弾を打ち込み、その多くはカーミエル周辺に着弾、イスラエル北部に暮らす数十万もの人々が危険にさらされました。

イスラエルに何千発ものミサイルが撃ち込まれ、次に戦争が起こればさらにひどいものになるだろうとモシェは言います。警備・軍事専門家たちの予測から、「初めの5、6日はシェルターから出られないだろう」と言います。法律により義務付けられているので、すべての家庭には攻撃に耐え得る防空シェルターがあるのですが、この会話の後、私たちも自分の家のシェルターに置く緊急備品の再確認をし、一週間分の水を追加しました。

市の地下中枢センター

ロケット弾の直撃を受けたイスラエル南部の家
IDFonline/flickr.com

カーミエル市では危機調査を行うと同時に、どのように市民の必要に応じることができるか模索検討しています。BFPはすでにカーミエル市の緊急対策チームの一員となることに同意しています。市の方でもBFPが有事に備え数百トンに及ぶ食料備蓄があることを知っており、世界中のクリスチャンが自分たちの必要に心を留めていることに感謝しています。

今BFPではカーミエル市から、緊急対策用強化型地下壕(地下中枢センター)の建設準備を支援してもらえないかと打診されています。市は軍隊ではないので敵とは戦いませんが、有事に市民の必要を満たす責任があります。高齢者や障がいを抱えた方たちを救出し、消防、救急隊のような緊急業務を行う必要があります。恐らく倒壊した建物から人々を救出する必要も生じるでしょうし、停電や物資不足などに対処する必要もあるでしょう。市の職員は極度の逆境の中、こうした働きを求められています。

一般市民は有事の時シェルターにこもっているように言われますが、職員は違います。徒歩、車、自転車などあらゆる手段をもって現在準備中の緊急拠点に向かわなければならないのです。この地下中枢センターは700万シェケル(およそ2億1千万円相当)掛かると言われています。現在イスラエル政府にこの予算の一部を負担してもらうよう嘆願しており、すでに100万シェケル(3千万円)は確保されていますが、それでもまだ足りません。

神さまはBFPにカーミエルへの思いを与えてくださっています。市の上層部も、BFPがイスラエルを愛し、その繁栄を求め、主の祝福を体験してほしいと願っているクリスチャンだということを知っています。定期的に協議を重ねた結果、今や私たちをパートナーとして認めてくれています。

主のお導きに従って

2006年のレバノンとの戦争の後、BFPはイスラエル北部にセンターを設立するよう主に導かれました。祈りが積まれた結果、場所はカーミエルであると導かれました。そのころからBFPは有事の際にもこの地に必要とされていることを知り、その都度準備を整えてきました。

時が差し迫っています。エステル記4章14節でモルデカイがエステルに「あなたがこの王国に来たのは、もしかすると、この時のためであるかもしれない」と言っていますが、同じ旧約聖書のみことばでもヘブライ語訳では「このような危機の時」となっています。

私は神さまがこのような時のためにBFPをイスラエルに、特にイスラエル北部に置いてくださっていると信じています。危機の時にイスラエルの人々を慰め、仕えるために神さまは私たちを助け、力も一緒に与えてくださいます。

BFPの北部フードバンクに備蓄されている食料
Daniel Kirchhevel /bridges for peace.com

カーミエル市との関係強化のため、備蓄食料維持のため、また必要を迫られている緊急地下壕建設支援のために、どうぞ皆様方のお力添えをお願い致します。皆様からの北部フードバンクへのご支援によって、平時・有事問わずカーミエルの人々に私たちクリスチャンがどれほどイスラエルを愛しているかを表すことができるのです。

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