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プロジェクトレポート

食料価格が高騰するウクライナ

TEXT.レベッカ・J・ブリマー(BFP国際会長)

混乱を深める政治情勢を受けて、ウクライナの食料価格が高騰しています。希望の糧プロジェクトでは、ウクライナに残るしか道の無い高齢のユダヤ人に、食料と神の愛をお届けしています。

希望の糧プロジェクトのスープキッチン

『希望の糧プロジェクト』の担当者から、ウクライナの食料品が高騰しているというショッキングなニュースが届きました。希望の糧のスープキッチンを利用するユダヤ人にとって、これは大問題です。

すでに利用者の食生活にはかなりの影響が出ています。私は今まで多くの希望の糧プロジェクト利用者の家を訪れましたが、台所の戸棚を見ると、信じられないほど物がないのです。悲惨なことに、食料価格が倍に跳ね上がっても、収入レベルは変わりません。同じ予算で、今では以前の半分の食料しか買えません。BFP(ブリッジス・フォー・ピース)が支援しているユダヤ人高齢者の多くは一日一食の食生活で、その唯一の食事が希望の糧プロジェクトのスープキッチンなのです。

ハルカスキー地区にあるユダヤ人リーダーが言うには、人々はほとんどすべての物に事欠く状態で、受け取ることができるものは、すべて有り難く受け取る状況だということです。

現場の状況

ウクライナの状況は日々悪化しており、ニュースを聞くたび深刻化しています。最近では、オデッサで40人以上が死亡する衝突がありました。反ユダヤ主義は日に日に強まり、怒りのはけ口求めた人たちが、その矛先をユダヤ人に向けています。BFPではユダヤ人をイスラエルに帰還させようと必死に努めていますが、希望の糧プロジェクトの利用者の多くは高齢、または体力的な理由でウクライナを離れることができません。このように、体力がないために、帰還できない人たちを見過ごすわけにはいきません。

今週、ウクライナでBFPと共に働いている、ある牧師先生から手紙を受け取りました。手紙にはBFPの支援に対する感謝の気持ちがつづられていました。この牧師先生は、大きな困難の中にあるにもかかわらず、スープキッチンが今でも通常どおり必要としている人たちに行き渡っていることを報告してくれました。以下がその手紙の引用です。彼の思いが伝わるように原文のまま引用いたしますが、プライバシーを守るため名前は伏せておきます。

「今ではほとんどの人が困難の中にあり、とても心配しています。これからどうなっていくのだろう、と答えのない多くの不安を抱えています。ウクライナの政治・経済状況は非常に厳しいです。人々は悲しみと失意の中におり、クリスチャンはさらに熱く祈り続けています。

ウクライナ人にとって、ロシアの行動は全く予期せぬものでした。ロシアの報道は、すべての事実関係がゆがめられています。ロシア当局は世界の世論や反応を全く無視しているように感じます。急進的なロシア軍が民族関係の悪化に拍車をかけ、今後どのようになっていくか分かりません。ユダヤ人に対しても、今後、どのような感情に動いていくか、危機感を持っています。今回のロシアのクリミア編入は、寝耳に水の事態でした。これほど早く、予期せぬ事態に発展したことは過去にありません。ですから、誰も、今後どのような展開になるか予測できずにいます。」

神の民が苦しんでいます

20世紀半ば、この地域はナチスによる侵略やスターリンによる圧政で壊滅状態になりました。ユダヤ人を含む、何百万人もの人々が殺害されました。このことを思うたび、「あの時代に生まれていたらユダヤ人を助けたのに」と思いますが、実際のところ、私はその頃まだ生まれておらず、その事実を変えることはできません。しかし今は違います。この時代に生を受け、神の民が苦しんでいるのを目の当たりにしているのです。私はよく「ウクライナにいる空腹に耐えているユダヤ人が食事をできるように、神は私にいったい何を求めておられるだろう。ユダヤ人を救出しイスラエルへ帰還させるために、神はBFPに何を求めておられるのだろう。」と自問します。

希望の糧プロジェクトで配布される食料

何かの偶然ではなく、神さまは、あえて私たちを今の時代に生かしてくださっています。私たちがこの時代に生かされているのは、「このような時のため」なのです。今年に入ってウクライナでの紛争が始まり現在に至るまで、『救出作戦』を通してBFPは800世帯近いユダヤ人をウクライナからイスラエルへ帰還させることができました。現在、さらなる人たちをイスラエルへ帰還させるために手続きをしています。また、希望の糧プロジェクトを通して、イスラエルへ帰還することのできない多くの人に毎日の食事を提供しています。

手助けいただけますか?

BFPの希望の糧プロジェクトの予算は、現地の食料価格の高騰により半減しています。追加予算を割り当てない限り、今までと同じ人数に同量の食料を提供し続けることはできません。しかし、一人たりともこのプログラムから切り離すことはできません。生死にかかわるからです。提供する食料数も減らしたくありません。減らすどころか、もっと多くの人を助けたいと祈り続けています。

エレミヤ書23章3節、4節のみことばにはこうあります。「しかし、わたしは、わたしの群れの残りの者を、わたしが追い散らしたすべての国から集め、もとの牧場に帰らせる。彼らは多くの子を生んでふえよう。わたしは彼らの上に牧者たちを立て、彼らを牧させる。彼らは二度と恐れることなく、おののくことなく、失われることもない。」

このみことばに応じ、「主よ、あなたの民がおののくことなく、良いことに欠くこともないよう、私たちをあなたの民の助け手とさせてください」と祈っています。

皆様のお助けにより、希望の糧プロジェクトを通じて、イスラエルに帰還できないユダヤ人に食料を提供することができます。ウクライナで苦難に瀕(ひん)しているユダヤ人にBFPが愛の手を差し伸べることができるよう、ご支援をどうぞ、どうぞよろしくお願い致します。

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