TEXT:レベッカ・J・ブリマー(BFP国際会長)
恐れるな。 わたしがあなたとともにいるからだ。 わたしは東から、 あなたの子孫を来させ、 西から、あなたを集める。(イザヤ43:5)
B F P( ブリッジス・フォー・ピース)は、ユダヤ人が故郷イスラエルに帰還するお手伝いをしています。「わたしは、北に向かって『引き渡せ。』と言い、南に向かって『引き止めるな。』と言う。わたしの子らを遠くから来させ、わたしの娘らを地の果てから来させよ。」(イザヤ43:6)この聖書の預言の通り、1980年代後半からゴルバチョフ書記長のペレストロイカ政策によって北(旧ソ連)はユダヤ人たちを「引き渡し」始めました。百万人以上のユダヤ人が、北の国々から帰ってきました。また、南ではエチオピア系ユダヤ人がマルクス政権下で「引き止め」られていましたが、政権の転覆によって84年から帰還を開始しました。神ご自身が働いておられるのを見て、世界中のクリスチャンに、〝ユダヤ人のイスラエル帰還を助けたい〟というビジョンが与えられました。BFPは『救出作戦プロジェクト』を通して、これまでに4万人以上のユダヤ人のイスラエル帰還を支援することができました。皆様のお祈りと尊いご支援に心から感謝します!今、主はさらに支援の範囲を広げるようにと、私たちに強く示してくださっています。近年は、東や西から帰還するユダヤ人を歓迎し、祝福する機会が増えてきているのです。
帰還した新移民にとって最初に必要となるものを支援するのが『新移民ウェルカムギフト』です。台所用品(鍋、フライパンなど)、毛布、学用品、そして旧約聖書のセットが、新生活に適応するのに大変な苦労をしているユダヤ人を支え、物質的のみならず、精神的、霊的な助けとなっています。今年の8月ごろまでに、東西から帰還するユダヤ人の支援が始まります。今回のレポートで述べるように、それぞれ、インドと、ペルーからの帰還者です。彼らの到着後の新生活を『新移民ウェルカムギフト』で応援してくださらないでしょうか?
東から帰還するユダヤ人
マイケル・フレウンド氏は、シャベイ・イスラエル(「イスラエルに帰る」)という離散したユダヤ人の帰還を助ける団体の責任者です。例えば、シャベイ・イスラエルはブネイ・メナシェ(マナセ族の息子たち)と呼ばれる人々のインドからの帰還を推進しています。ブネイ・メナシェは「自分たちはマナセ族である」という家族の言い伝えを信じ、ユダヤ教の信仰と多くの伝統を守ってきました。過去2700年間、彼らは唯一の神に対する信仰を守り、イスラエルに帰りたいという願いを持ち続けていました。
BFPは祈りと経済的支援を通して、このシャベイ・イスラエルの働きを祝福しています。これまでの経過をお話ししましょう。今年の春、マイケルが私に緊急の祈りを要請してきました。
「シャローム、レベッカ。このメールを送るのは、緊急の祈りを要請するためです。イスラエルでは、明日はヨム・ハショア(ホロコースト記念日)ですね。この日、私たちは暗い過去を思い出します。しかしその悲しみの日に、一筋の光明が差し込むようなことが起こるかもしれません。明日、イスラエルの首席ラビとの会見が行われます。そこで、インドにいるブネイ・メナシェの帰還について、ついに再審議がなされるのです。
知っての通り、私は離散した兄弟たちをシオンに帰還させるために、過去2年間、働き掛けてきました。その過程で、多くの困難と膨大な量の事務手続きに直面してきました。しかし、いつも神さまが知恵深く導き、リードしてくれました。明日の会見は必ず転換点となることでしょう。数カ月後、私たちはブネイ・メナシェの集団を連れて、イスラエルへ戻って来ることになるでしょう。レベッカ、霊的パートナーである、あなたがたの祈りが不可欠です。明日の会見の成功と帰還が速やかに再開するように私と共に祈ってください。『あなたは、わたしが主であることを知る。わたしを待ち望む者は恥を見ることがない。』(イザヤ49:23)」
その後、マイケルは次のような知らせを私にくれました。
「素晴らしい知らせです!祈りは応えられました。首席ラビがブネイ・メナシェの150家族(約750人)を、今年インドからイスラエルに連れてくる許可をくれたのです。私はすぐにインドに渡り(奇しくも4月26日イスラエル独立記念日に)、人々にこの素晴らしいニュースを届けました。出席者2千人がこの決定を祝い、喜び合いました。彼らは高揚して歓声を上げ、涙を流し、歌を歌い、踊りました。それは非常に感動的で、この歴史的な瞬間を導いてくださった神さまの御手を熱く感じるときとなりました。
現在の私たちの目標は8月までに、最初の移民の団体を連れてくることです。私たちの努力が報われるように祈り続けてください。そして、聖書の預言の通り、シオンにすべての離散したユダヤ人を帰還させるために、続けて支援をよろしくお願いします。」
西から帰還するユダヤ人
先月、私はユダヤ機関とメル・ホーゾル氏(救出作戦のパートナー『エズラ基金』のディレクター)とテルアビブ空港近くのラムラ市に向かいました。南アメリカ出身のユダヤ人グループと会うためです。彼らは皆ラムラ市に過去10年以内に帰還を果たした人たちです。今度、ペルーから250人のユダヤ人が帰還することになったので、彼らをどのように支援したらよいか、経験者の考えを聞くための訪問でした。
予定されているペルーからの250人の帰還者は、ゴムの貿易で生計を立てるために、100年前にペルーに移住したユダヤ人の子孫です。この人たちの母親は現地ペルー人でした。母親がユダヤ人でないために、これまでユダヤ人として認められませんでした。しかし、父祖の信仰とつながりを持ち続け、レビやコーヘンというユダヤ人の名前を受け継ぎ、多くの伝統を継承してきました。彼らは心底からのユダヤ人なのです。そんな彼らの元にラビが遣わされ、ユダヤ人として認知され、イスラエルへの帰還許可も得ることができました。
8月には、ペルーからの最初の80人がラムラに到着する予定です。彼らはまさにすべてを必要としています。ユダヤ機関は飛行機代を出してくれますが、それは彼らの必要のほんの最初の部分でしかありません。私たちは彼らがイスラエル社会に溶け込めるようになるまで、彼らを助ける支援を要請されました。
ビジョンを受け取る
「彼らは、わたしが彼らの神、主であることを知ろう。わたしは彼らを国々に引いて行ったが、また彼らを彼らの地に集め、そこにひとりも残しておかないようにするからだ。」(エゼキエル39:28)世界中のクリスチャンが今、神の預言が成就し、離散の地で一人として取り残されることのないことを願っています。
神が召し出している人々に、神の愛を示すためにご協力ください。新移民を迎える「ウェルカムギフト」をご支援くださるとき、私たちは彼らの最も差し迫った必要を満たすことができるでしょう。
どうぞ新移民が希望、勇気に満たされ、ヘブライ語など新しい文化を学ぶ能力が与えられるようお祈りください。「見よ。わたしは、イスラエルに一つの事をしようとしている。それを聞く者はみな、二つの耳が鳴るであろう」(Ⅰサム3:11)。神は今もなお、私たちを驚かせるようなことをしておられます。皆様の祈りと経済的なご支援は神の計画を成就するために、不可欠です。私たちが生かされ、神のなされていることの一部を担うことができるとは、何とすばらしいことでしょう。また、何という時代に生きているのでしょうか!