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プロジェクトレポート

大工チームプロジェクト ~壁を作り、橋を架ける~

TEXT:レベッカ・J・ブリマー(BFP国際会長)

「まさか、自分がカナダ人と一緒に、ユダヤ人の家を修理し、台所を取り付けることになろうとは!そして二人のオーストラリア人と日本人と協力し合い、アパートの屋根にタールを塗るようになるだろうとは夢にも思いませんでした」

(南アフリカ出身のボランティアより)

BFPの大工チームは、「家屋修繕」という、実際的な方法でイスラエルの人々に神の愛を表す特別な奉仕をしています。世界中の腕の良い職人がイスラエルに来て、貧しい人々のために自分の賜物を捧げています。私たちが支援している人の多くが、新移民か高齢者、またはホロコーストから生き残った人々です。

大工チームプロジェクトの誕生

このプロジェクトは1993年、アメリカ人ボランティアのカールが、配給所に食物を配達したことがきっかけで始まりました。彼がそこに着くと、ナオミという女性が彼にこう頼みました。「イエフダさんの所に食べ物を届けてください。彼は三日間も食べ物をもらいに来ていないのです。彼のことが心配で・・・。」カールは食料を持ってイエフダの家へ出かけました。ナオミが詳細に書いてくれた地図に従って、メア・シェリームの曲がりくねった狭い通りを進みました。メア・シェリームはエルサレム中心部にある、非常に熱心なユダヤ教徒が住む地域です。彼が着くと、イエフダは体調を崩して床に臥せっていました。小さなワンルームの部屋の中央に、ベッドが不自然な形で置かれていました。それは、雨漏りの水を、何とか避けようとしたためでした。壁は水滴で黒ずみ、暖房や食器棚もありませんでした。

カールはひどい生活環境に唖然(あぜん)としました。そしてオフィスに戻り、「少しの工具さえ購入できれば、僕が彼の部屋を修理します!」と宣言しました。BFPはすぐに、必要な道具や材料を購入しました。カールは工具を手に急いでアパートに戻りました。雨漏りしないように天井を修理し、食器棚を取り付け、暖房器具を買い、ペンキを塗りました。イエフダの住んでいたあばら家は、清潔ですっきりしたアパートに生まれ変わりました。イエフダはとても喜んで、カールと彼のチームを「エルサレムのゴールデンエンジェル」と名付けました。

このとき、大工チームプロジェクトが生まれました。その日以来、大工チームでは、800を超える家屋を修理してきました。約18年の間、世界各国から多くの ボランティアがこのチームに献身しました。彼らは口を揃えて「この働きができたことを心から誇りに思う」と語っています。

エチオピア系新移民の住む地域

最近、私たちはエチオピア系ユダヤ人の地域を多く支援しています。この地域の人々には、乗り越えなければならない沢山のハードルがあります。移民して数年たっても、なかなか言葉を覚えられず、仕事を得ることができません。たくさんの人々が支援を必要としています。

電気、水道、コンピューターなど、文明の利器が無いアフリカでの質素な暮らしから、技術の発達した国での生活に激変するのです。エチオピア出身者にとって、特に年配者にとってそれは至難の業です。大工チームはこのような人々の家で奉仕ができることを特権だと思っています。ペンキを塗りながら、子どもたちの笑い声が家中にこだましているのを聞いて喜びを感じます。また、彼らが私たちのした仕事に深い感謝を表し、大きな笑みをたたえているのを見ると、報われた思いがします。

「ここに住んでいる人々は液晶テレビや携帯電話とは無縁の生活です。コンピューターや車を所有するなど夢のまた夢。彼らの関心事は雨が降るとアパートに水漏れしないか、壁にカビが生えないか、台所の家具が壊れないだろうかということです。」台所の家具というのは主に食器棚ですが、ほとんどの家の食器棚はちょうつがいが壊れ、食器棚が水を含んでしまったため、カビだらけになっています。また、トイレの水が流れないので、バケツで水を流しているという家が多くあります。

配管の修繕をするスタッフのロビー

愛をもって人生を変える

私たちは主がBFPに大工チームを与えてくださったこと、大工チームのボランティアが母国の快適さに別れを告げ、肉体的にも衛生的にも苛酷な中で賜物を用い、ユダヤ人を祝福していることを感謝しています。大工チームの支援を受ける人々のほとんどは、それまでの人生でクリスチャンに優しくされたたり、愛を受けたことがありません。「私は85歳ですが、クリスチャンから親切にされたのは、これが初めてです。」「今までの人生で自分のために何かをしてもらったのはこれが初めてです。」という言葉が大工チームの支援を受けた年配のユダヤ人から聞かれます。

この働きは世界中のクリスチャンからの尊いご支援があるからこそ継続しています。皆様が大工チームに捧げてくださった贈り物を通して、私たちはイスラエル人への神の愛を表すことができるのです。また、惜しみないご支援のおかげで、これまで800以上の家族や自治体に影響を与える事できました。ただアパートの壁を作るだけでなく、クリスチャンとユダヤ人の間に新たな関係を築くための「和解」という橋も架けることができました。この働きを通して、クリスチャンに対するユダヤ人の態度が変わりました。かつて、彼らはキリスト教国によって迫害された痛みとその暗い歴史しか知りませんでした。今、行いを伴う真のクリスチャンの愛を通して、彼らの傷が癒やされ、過去の暗闇から明るい和解の光へと導かれているのです。

私たちがこの大工チームプロジェクトを始めたとき、イザヤ58章12節「あなたのうちのある者は、昔の廃墟を建て直し、あなたは古代の礎を築き直し、『破れを繕う者、市街を住めるように回復する者』と呼ばれよう。」というみことばが与えられました。このプロジェクトに捧げてくださるすべての方々と、大工としてボランティアをしてくださるすべての方々がこのみことばを成就しているのです。

皆様のお祈りとご支援を心から感謝いたします。そして、今後もこのユダヤ人の生活の場に入っていって、破れを繕い、彼らの心の傷を癒やす働きを継続できるよう、お祈りくださいましたら幸いです。

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