ホーム支援するエズラ作戦プロジェクトレポートバックナンバー大工チーム > 狭い住居に住む大家族を助ける ~大工チームが導いた祝福~

プロジェクトレポート

狭い住居に住む大家族を助ける ~大工チームが導いた祝福~

TEXT:レベッカ・J・ブリマー(BFP国際会長)

近ごろ行われた国勢調査の結果によると、イスラエルの35%の人々が、狭いアパートにひしめき合って住んでいるそうです。私たちもそのような住まいに8人もの家族が生活しているのを見てきました。こうした人々は大抵、必要最低限の家の修繕すら行うことができません。

「あなたのうちのある者は、昔の廃墟を建て直し、あなたは古代の礎を築き直し、『破れを繕う者、市街を住めるように回復する者。』と呼ばれよう。」(イザヤ58:12)このみことばを頂き、BFPの「大工チーム」が活動するようになってから約20年がたちます。大工チームが支援するのは、修繕費すら捻出できない貧しい移民、そしてBFPの里親プログラムやキッズプログラムで支援を受ける家族です。

クリスチャンが彼らの厳しい現実を変えるために、〝何かをしたい〟と願い、実際に行動に移していることを知って、彼らは驚いています。また、その働きが、戦争やテロなどの困難な中にあっても中断されることなく、今も続けられていることに彼らは大きな感動を覚えています。祈りと支援で支えてくださる皆様こそが、この感動を生み出しているのです。

大工チームの使命

最近、BFPの三つのプログラムが連携してある家族を助けました。キッズプログラムが3年間スポンサーをしているハナン・バーボートという10歳の男の子がそのきっかけとなりました。彼の母親のエティさんは5人の男の子をもつシングルマザーです。すでに結婚して別の所に住んでいる子どもを除く5人が、狭いアパートに住んでいます。

エティさんはモロッコ出身、家族を養うために家政婦として一生懸命働いています。1950年代には、モロッコから多くの家族がイスラエルに移民してきました。アパートはボロボロでも、彼女はできる限り家をきれいに整えてきました。しかしどんなに掃除をしても、建物の老朽化はどうにもなりませんでした。

ある日、彼らを支援している里親が、カナダからイスラエルにツアーで訪れ、エティさん家族と面会しました。彼はカナダに帰国後、BFPカナダの事務所にエティさん一家のアパートの修繕費として1000カナダドルを捧げてくださいました。

私たちは3人の小さなチームを作り、この家族のために「修繕プロジェクト」を立ち上げました。リビングの壁を取り外して寝室を広げ、新しい壁を作りました。台所の流しの剥げたタイルを張り直し、漆喰(しっくい)を塗り直し、アパートの壁や天井をペンキで塗りました。アパートは4階だったため、重い建材を担いで何度も階段を上り下りするのは大変でしたが、主が不思議と力を与えてくださいました。

このプロジェクト終了後、大工チームのアメリカ出身の若いボランティア、ビンセント・リトラが自身の経験を語ってくれました。

大工チームの修繕奉仕を受けたバーボートさん一家

「今回の奉仕は、僕らにとって素晴らしい経験になりました。壁の修繕やペンキ塗りなどの作業はもちろんのこと、『おはよう』や『シャローム』というちょっとしたあいさつを通しても、宗教、民族、肌の色という隔ての壁が崩されるのを体験しました。家が修繕されて美しく変化していくように、一家や近所の人々、そしてこのプロジェクトにかかわるすべてのイスラエル人と私たちの関係も、新しく塗り直されていくようでした。お互いを思いやるという愛情の架け橋が架けられたのです。これこそがBFPの使命です。私たちの行動と働きを通して、これからも神の栄光を現していきたいと思います。大工チームに携われることは、大変光栄なことです。主の御名が褒め称えられるのを、最前線で見ることができたのは祝福でした。(お互いの言葉が話せないため)私たちは長い言葉を交わすことはできませんでしたが、このプロジェクトが終わるころ、エティさんの息子さんが私を〝兄弟〟と呼んでくれました。私たちの間にある違いにもかかわらず、彼が私を兄弟と思ってくれたことに励まされました」

生まれ変わったアパート内部

この一部始終を見ていたBFPの提携団体ベイト・シェメシュ基金のハーリー・メイアーさんは、感動を隠そうとはしませんでした。チームの作業を見て、「皆さんは暗闇に光をもたらしたのですね」と言いました。そして、「この思いを、どのような言葉で伝えればいいのか、どのように感謝の思いを表せばいいのか分からない」と言っていました。まさに、イザヤ書58章10節が成就した瞬間でした。

「飢えた者に心を配り、悩む者の願いを満足させるなら、あなたの光は、やみの中に輝き上り、あなたの暗やみは、真昼のようになる。」

その後、私たち夫婦は大工チームと共に、ささやかなお披露目パーティーに招待されました。荒れ果てたアパートの暗い階段を4階まで上がり、エティさんがドアを開けてくれたとき、私たちは明るく風通しが良く、爽やかな室内を見せていただく祝福にあずかりました。皆様と共に、大工チームは暗闇に光をもたらしたのです。

もし、私たちに資金があればこのような家族がもっとクリスチャンの愛と思いやりで祝福されるでしょう。たくさんの人々が暗闇の中で生活しています。神は彼らに光をもたらしたいと願っておられます。

また、もし皆様が熟練した塗装職人、配管工、電気工、あるいは石工であれば、イスラエルでボランティアをすることを祈ってみてください。大工チームは、BFPの施設管理や、地域の貧しい人々の家の修繕をしています。共に私たちは変化をもたらすことができるのです。

そして、イスラエルや貧しい人々を顧みる皆様に、「主は絶えず、あなたを導いて、焼けつく土地でも、あなたの思いを満たし、あなたの骨を強くする。あなたは、潤された園のようになり、水のかれない源のようになる。」(イザヤ50:11)と約束してくださっています。どのような時代が来ても、主のご計画に応答するとき、主は枯れない水を祝福として与えてくださると確信します。

ページトップへ戻る

特定非営利活動法人
B.F.P.Japan (ブリッジス・フォー・ピース)

Tel 03-5969-9656(平日10時~17時)
Fax 03-5969-9657

B.F.P. Global
イスラエル
アメリカ合衆国
カナダ
イギリス&ヨーロッパ
南アフリカ共和国
日本
韓国
ニュージーランド
オーストラリア

Copyright 1996- © Bridges For Peace Japan. All Rights Reserved.