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プロジェクトレポート

過越の祭の贈り物 -家族もお金もない兵士たちへ-

徴兵制

イスラエルでは、高校を卒業するとすぐに、男子は3年、女性は2年間の兵役にいや応なく召集されます。しかし、イスラエル軍の給料は、ほとんど“ない”と言えるほどに少なく、石鹸代のような微々たるものしか支給されません。

ですから、軍隊に召集された若者は、家族からのサポートによって日々の糧を賄います。すでに職に就いている場合は、期間にもよりますが、職場が続けて給料を支払うことになっています。

ところが、一人でイスラエルに移民して来ている青年や、家族をなくしてしまった人たちは、生活のすべがありません。どこからも収入のあてがないのです。BFPでは、このような兵士に、シャンプーや石鹸、靴下、飲みたくても買えないコーラなどを入れた『ジョイバスケット』を贈ることで、彼らを励ましています。家族のない彼らにとって、さまざまな品が詰め込まれたこのバスケットは、まるで宝石のような輝きをもっています。

過越の祭り

過越の祭りで食べる種なしパン

過越の祭りは、彼らが最も悲しい思いをする時期です。なぜなら、ユダヤ人にとって過ぎ越しの祭りは、“家族の祭り”だからです。全家族が一つになって、イスラエルの神が大いなる御手を伸ばし、エジプトの苦役から解放してくださったことを感謝し、賛美します。

最近の日本は変わってしまいましたが、私が若い頃は、お正月がまさにそのような祭日でした。父親を中心として、家族がおせち料理を食べながら、こたつでにぎやかに過ごした時代を懐かしく思い出します。

初めて家族から離れて過ごしたお正月の寂しさを、今でもはっきりと覚えています。早く大人になりたい……と、あれほど強く願っていたのに、初めてお年玉がもらえなかったあの日は、心にぽっかりと穴が開いてしまったような気がしました。私が経験したあの気持ちとは、比べ物にならないほど寂しい思いをしている、家族のいない兵士たち。彼らの孤独はいかばかりでしょう。

医療チームの慰問

BFPは、前線に分け入って、けが人を救助する医師や看護の医療チームを訪問しました。いずれも家族がいない兵士で、100人の若者がそこにいました。過越の祭り期間は、8日間のお休みになります。兵士ももちろん交代で休暇を楽しみます。その最大のイベントである休日を、家族もなくお金もない環境で過ごすのは、あまりにも切ないことです。BFPは、この100人の兵士に、一人500シェケル(約1万2千円)ずつ贈呈しました。

そうしたことから、軍医総監であるヤケシェル・レヴィー氏によって、贈呈式に招待されました。トム・クーパー(里親プログラム部長)、およびビル・スティーブンス(イスラエル運営部長)に連れられ、私も共にベースにおもむきました。

軍医総監は、「クリスチャン団体である、ブリッジス・フォー・ピースが、あなた方に祝福を運んでくださいました!」と、あふれるばかりの笑顔で、クリスチャンの愛の働きに感謝を示してくださいました。

それに続き、トム・クーパーが「過越のお祭りおめでとうございます。イスラエルのために前線に立って働いてくださるあなた方に、心からお礼を申し上げたいと思います。あなた方には、イスラエルの神がついています。イスラエルの神は、あなた方を愛しておられ、眠ることもまどろむこともありません。そんな偉大なる神が、あなた方を守っておられるのです。これからもがんばってください!」と、力強く語り出すと、若者の間にざわめきが起こりました。

その後、軍医総監からの贈り物と、ビル・スティーブンスから手渡せられる封筒を、一人ひとりが嬉しそうに、大切そうに受け取っていきました。喜び一杯に握手をする兵士たちの目には、涙が光っていました。将来を担うこの若者たちの心に、クリスチャンの愛の種が蒔かれました。彼らの涙を見ながら、私は未来のイスラエルに平和の架け橋が架けられたことを確信しました。

アルゼンチンからの医師

イスラエル医療軍は、前線で働く医師が足りないため、イスラエルに移民してくれるよう世界中のユダヤ人医師に呼びかけています。それに応答し、アルゼンチンからエドワード・イスラエルという名前の若い医者が、一人で移民してきました。イスラエルは彼をヘブライ語の学校に行かせ、イスラエルの免許が取れるように勉強をさせ、免許が取れると同時に軍に召集しました。今は、前線に立って働いています。彼もまた、BFPの過越の祭りギフトを受け取った一人です。

このとき、彼に「母、危篤」の連絡が入りました。しかし、アルゼンチンまで飛んで行くお金はありませんでした。贈呈式の後、BFP一行は、軍医総監の部屋に招待されました。彼の苦境を知り、BFPは祈りの中で彼を助けることが示され、エドワードにアルゼンチン行きの往復切符を献品させていただきました。流れる涙を抑えることも忘れて、喜びにあふれる彼の姿に、イエスさまの愛が、はっきりと根を下ろしたことを実感しました。

このようにして、今日も明日も、そしてその次の日も、コツコツ、コツコツと、いろいろな形で平和の架け橋が架けられています。皆々様のお祈りと愛、それこそが種となってイスラエルの人々の心に蒔かれ続けているのです!その現場を目の当たりにさせていただき、皆様への感謝がますます深められました。この青年一人ひとりに成り代わって、彼らの母親になったつもりで、「子どもたちを助けてくださって、本当にありがとうございます!」と、心から申し上げたいと思います。

主の祝福が途切れることなく皆様の上に注がれますように!
祈りを込めてエルサレムからシャローム!

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