プロジェクトレポート

慰めよ、わたしの民を

文:レベッカ・J・ブリマー(BFP国際会長)

イスラエルは今年、建国70周年という記念すべき年を迎えました。この間、国家は目覚ましい発展を遂げてきましたが、その背後に尊い犠牲があることをイスラエル国民は心に刻み続けています。

戦争やテロなどで命を落とされた方々をしのぶ戦没者追悼記念日 Mark Neyman/gpophotoeng.gov.il

『慰めよ。慰めよ。わたしの民を』とあなたがたの神は仰せられる。『エルサレムに優しく語りかけよ。これに呼びかけよ。その労苦は終わり、その咎は償われた。そのすべての罪に引き替え、二倍のものを主の手から受けたと』(イザ40:1-2)

毎年イスラエルでは独立記念日の前日に、戦争やテロなどで命を落とされた方々をしのびます。それがヨム・ジカロン(戦没者追悼記念日)です。私たちクリスチャンは神を愛し、イスラエル国家の再建を心から喜びますが、その背後でこの国が支払った代価の大きさについては忘れがちです。

2017年5月までに、2万3544人の兵士が尊い命を失いました。また、3117人の市民がテロの犠牲となっています。子どもを失った親は実に9157人に及び、夫を失った女性は4881人、30歳未満の孤児は1843人います。今も続く紛争によって10万人以上の方々が負傷し、中には障害を負った方もおられます。

こうした状況を受け、戦没者追悼記念日には国を挙げて追悼します。初めてイスラエルに来た年、私はこの国の連帯感の深さに驚きました。新聞に死亡記事が掲載されると、キブツ(共同体)の食堂で誰かが泣いていたものです。イスラエルは一つの大家族であり、心の底から人々の死を悼むことを知りました。

主は、シオンの嘆く者たちに慰めを与えるようにとBFP(ブリッジス・フォー・ピース)を召し出されました。私たちは、家族の死を悼み、7日間の喪に服している方々に食料や生活必需品をお届けしています。また、テロなどで負傷し、入院している方々に贈り物を届け、テロで家族を失った子どもたち向けにキャンプを開いて支援しています。

悲しみに暮れる方々を助けたいと願う気持ちは、イスラエル人も同じです。そんな思いを持った一人が、退役した元司令官のヨム・トヴ・サミア氏です。彼は、息子や娘を失ったご遺族を招いて毎年リトリートを開いてきました。BFPもこのリトリートを支援しています。ご遺族が共に集まり、互いに慰め合う貴重な時です。

毎年お招きしているご遺族の中に、このリトリートに一度も足を運んだことのないご夫妻がいらっしゃいました。あまりの悲しみに打ちひしがれ、すっかり気力を失ってしまったご夫妻に、ヨム・トヴ氏は根気強く誘いの電話を掛け続けました。送迎も手配し、「ほんの少しの時間でもいいから」と励まし続けた結果、彼らは昨年、初めから終わりまでリトリートに参加することができたのです。

リトリートから1週間後、息子さんから電話がありました。「皆さんは、私の両親にどんなことをしてくださったのですか。私の兄弟が亡くなってからというもの、両親は何年もアパートから出ようとしませんでした。どんな祝日にも参加しようとせず、孫の誕生祝いにも顔を出さなかったほどです。息子を亡くし、人生の時が止まってしまったようでした。ところが先日、5歳になる私の娘の誕生日に訪ねていってもいいかと電話を掛けてきたのです。皆さんのおかげで、私たち家族は両親を取り戻すことができました。本当にありがとうございます」

BFPのクリスチャンメンバー四人もこのリトリートに毎年参加し、悲しみに暮れる方々を慰め、クリスチャンの愛を表しています。神は、傷ついた心を癒やしたいと願っておられます。神の癒やしのプロセスに関わることができることは、私たちにとっても喜びです。

ご支援いただけませんか

間もなく今年のリトリートが開催されようとしています。ご招待しているご遺族は200家族以上に上ります。しかし大変悲しいことに、テロ被害者支援の資金が十分に無いため、「例年どおりの支援をすることは難しい」とヨム・トヴ氏にお伝えしなくてはなりませんでした。ヨム・トヴ氏からは、「何とかご遺族のためにリトリートの継続を検討してもらえないだろうか」と嘆願されました。すでにご遺族を招待済みで、ホテルも予約しているとのことです。彼らは私たちの支援を必要としておられます。ただし、私たちは家族を失った子どもたちのセラピーキャンプも控えている状況です。BFPのサポートが無ければ、多くの子どもたちをがっかりさせることになります。リトリートに必要な資金は、一人につき120ドル(日本円で約1万3千円)、セラピーキャンプでは一人につき60ドル(日本円で約6500円)です。皆様のご支援によって、私たちは悲しみに暮れる600人の方々にお仕えすることができます。

嘆き悲しむイスラエルの方々に、ぜひ慰めを与えていただけませんか。主はこう言われます。「…『わたしは彼らの悲しみを喜びに変え、彼らの憂いを慰め、楽しませる』(エレ31:13)

BFPのボランティア20人が3月9日、エルサレムマラソンに参加しました。目的は、テロ被害者に対するご支援を募るためです。
皆様のご支援により、苦しむ方々にクリスチャンの愛を示すことができます。 Michio Nagata/bridgesforpeace.com

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