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プロジェクトレポート

うめきは天に届いています

TEXT.レベッカ・J・ブリマー(BFP国際会長)

いまだ世界に根強く残る反ユダヤ主義。
そんな国々に暮らすユダヤ人たちはイスラエルへの帰還を待ち望んでおり、BFPの支援に対する期待も高まっています。

最近帰還したブネイ・メナシェの家族 Shavei.org

4月、イスラエルでは過ぎ越しの祭りを祝います。セデルと呼ばれる食事で幕を開け、7日間通して国を挙げてお祝いします。この期間、エジプトでの奴隷生活とその解放の詳細について語り、歌い、祝うのです。

イスラエルの民はエジプトでの労役に耐えていました。聖書には「イスラエル人は労役にうめき、わめいた。彼らの労役の叫びは神に届いた。神は彼らの嘆きを聞かれ、アブラハム、イサク、ヤコブとの契約を思い起こされた。神はイスラエル人をご覧になった。神はみこころを留められた(出2:23-25)」と書かれています。

しかし、今もうめいているイスラエルの民がいます。ロシア、ウクライナ、南アメリカ、ヨーロッパにいるユダヤ人やインド北東部にいるブネイ・メナシェたちは、神に救いを求めて叫んでいるのです。その多くが非常に過酷な状況に置かれています。反ユダヤ主義に虐げられ、悲惨な貧困や、ウクライナで現在も続いている戦禍の中に暮らし、その叫びは神に届いています。

ロシアのユダヤ人たちは警戒しています

ロシア連邦議会国家院(下院)のエレーナ・ミズリナ議員は「現代ロシアにおいてユダヤ人たちは厄介者なので、イスラエルに帰還できるよう支援したらどうか」と発言しました。

「ロシアをユダヤ人から解放するための餞別(せんべつ)としてユダヤ人の移送費を出し、こう説明するのです。『あなたたちには自分の国があるのだから、これ以上ロシアに構わずさっさと帰ってください。あなたたちがいないほうがむしろ助かります』」。彼女は自身の反ユダヤ的立場を以下のように説明しています。「今日、ロシアにおいてユダヤ人が占める割合は非常に高く、報道、事業、政界など多岐にわたります。ユダヤ人の目は、どこにいてもイスラエルに向いており、ロシアに愛国心をもつことはあり得ません」

ミズリナ議員は、この民族排除案によって、結果としてロシアの道徳的かつ政治的風土に大きな改善をもたらすとの見解を示しました。だからといって、この言葉通り、ユダヤ人をイスラエルへ送る費用を出すことなどあり得ません。

東ウクライナのユダヤ人は絶望しています

常に危険と隣り合わせにいるBFP(ブリッジス・フォー・ピース)のドライバーは、いつも夜間に移動し、東ウクライナで身動きが取れなくなっているユダヤ人家族を救出しています。東ウクライナは戦闘地域で、ちょっと外を歩くだけでも爆弾や砲撃に遭遇する危険性があります。電気や水道は大概止まっています。「誰も助けに来てくれないのでしょうか」。私の耳には彼らの叫びがこだまし、悲哀に満ちた表情が目に浮かびます。

ブネイ・メナシェは帰国を切望しています

インドに住むブネイ・メナシェ(マナセ族の末裔(まつえい))の全員帰還が危ぶまれる可能性があったため、BFPは今年初め、資金の緊急要請をしました。内務省から「2月中旬までに次のグループが帰還できなければ、すべての帰還を止める」という最終通達を受けたのです。

帰還を喜ぶブネイ・メナシェ Shavei.org

この時点で、ユダヤ人帰還支援団体「シャベイ・イスラエル」代表のマイケル・フレウンド氏は10万ドル(およそ1千万円)を必要としていましたが、クリスチャンからの支援により、次のグループは予定どおり帰還を果たすことができました。マイケル氏は年内にあと600名をインドから帰還させる目標を掲げ、支援を求めています。親子が何千キロも離ればなれになっており、家族が離散した状態です。しかし経済的な理由から、援助無しには家族全員の帰還は不可能と言えます。彼らはうめき、神の解放を求めています。

ヨーロッパのユダヤ人は心配しています

反ユダヤ主義がヨーロッパ全域で勢いを増し、ユダヤ人たちはイスラエルへの帰還について真剣に話し合っています。その多くが励ましを、特に経済的支援を必要としています。「神さま、私たちの叫びが聞こえていますか」

イスラエルはクリスチャンからの支援を喜んでいます

これまでにも、BFPが支援できるかどうかイスラエル政府関係者から問い合わせを受け、多くの会合をもってきました。特に最近要請されたのは、親とは別に帰還する若い世代への支援で、彼らのヘブライ語習得を助け、イスラエルの次世代づくりに貢献してほしいとのことでした。「はい、BFPは支援いたします」と回答しましたが、どのくらい支援できるかは世界中のクリスチャンからのご厚意次第です。

現在まで、皆様からの献金に支えられ、5万9447人のユダヤ人を旧ソ連地域から、また何百人もの人たちをインド北東部から救出いたしました。それでも今も彼らの叫びが聞こえます。私たちの心からいまだ重荷は取り除かれていません。離ればなれになった家族を再会させるために、戦禍から救出するために、反ユダヤ主義の魔の手から救い出すために、また彼らの目から涙をぬぐい、約束の地に連れ戻そうとされる神のパートナーとなるために、ご支援いただけませんか。ユダヤ人の方々がイスラエルの地で神の導かれる未来を生きられるように、共にお手伝いできればと願っています。

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