プロジェクトレポート「子どもたちこそ未来です！」

TEXT.レベッカ・J・ブリマー（BFP国際会長）

世界の例に漏れず、日本でも経済格差が広がり、厚生労働省の報告によれば、日本の子ども（17歳以下）の相対的貧困率は16.3%（2012年）でした。これは、日本の子どもの約6人に1人が貧困状態にあることを示しています。日本の子どもたちも大変な中、なぜ私たちはイスラエルの子どもたちを助けようとするのでしょうか。

皆様の愛により、日本からキリヤット・エクロンの小学校に可動式コンピューター・ラボが贈られました！

キッズプログラムは、低所得家庭の子どもたちが学校で学ぶ機会を提供できるように、と10年前に始動しました。現在BFP（ブリッジス・フォー・ピース）では12校と提携し、400人の子どもたちを支援しています。ユダヤ人が受けた歴史的迫害の痛みも過去も変えることはできませんが、未来は変えることができます。子どもたちこそ未来そのものです。

子どもを助けることは、
イスラエルの未来を変えることです

大抵の場合、最も困難を極めるのが新移民の子どもたちです。彼らは聖書の預言どおりイスラエルに戻ってきていますが、最初の一年は本当に厳しい状況です。親たちはヘブライ語を学び、就職先を見付けなければならず、子どもたちの学校の必要にまで手が届きません。キッズプログラムのような支援がなければ、こうした多くの子どもたちがクラスメイトたちから遅れを取り、授業についていくことができずに、十代になると中途退学してしまいます。

教育体験の強化

BFPでは教育機会向上のためにイスラエルの教育者と綿密に連携を取っており、将来のために投資をしています。その一環として、3校に可動式コンピューター・ラボを設置しました。このラボは車輪が付いているのでどの教室へも移動が可能です。その内の1校、キリヤット・エクロンの小学校のラボは、日本からの支援によって捧げられました。先生方の喜びと、子どもたちの笑顔を、全部集めて皆様にお届けできないことが残念で仕方がありません。学校中が喜びに包まれました。今後、このラボが子どもたちの教育のために大いに活躍し、歴史を塗り替えていってくれることでしょう！日本の皆様の寛大なご支援があってこそ実現した主の御業です。

無心でコンピューターに向かう子どもたちの目は、キラキラと輝いています。好奇心にあふれた子どもたちが、生き生きと学ぶ姿は、先生方の力にもなります。さらに、家に帰って「今日、コンピューターを使って○○を習った！」と、熱心に語る子どもたちの様子は、さまざまな生活苦を背負う家族にとって、とても大きな励ましとなります。イスラエルの子どもたちは、嬉しければ嬉しいことを、楽しければ楽しいことを、大声で全身を使って表現します。その無邪気な姿に、また何かを学んで成長している様子に、思わず親たちの目尻が下がってしまうのです。イエスさまが子どもたちを優しいまなざしでご覧になっていたのと同じです。

コンピューターという無機質な物質が、笑顔の元となるのは、皆様が命を吹き込んでくださったからに他なりません。このコンピューターは日本中の皆様から、祈り心を持って捧げられました。その祈りは、これを使うすべての子どもたちに、そして彼らを取り巻く人々に波紋のように広がっていくでしょう。それが神さまのやり方だからです。

キッズプログラムに参加する学校の校長先生
たちを招いてBFP本部で懇親会が持たれました

皆様もよくご存じのように、世界で一番多くノーベル賞を受賞しているのがユダヤ人です。「もしホロコーストで600万人のユダヤ人が殺されなければ、今頃はがんの特効薬が開発され、地上からがんが無くなっていたかもしれない」と言われるほど、ユダヤ人の頭脳は人類に貢献してきました。私たちが捧げたコンピューターで学ぶ子どもたちの中からも、きっとそんな社会貢献をしてくれる子どもが出てくることでしょう。彼らにとって、コンピューターを手に入れたこと以上に、私たちの祈りが彼らの人生をバックアップしていることが大きな力だからです。

犠牲の愛に報いてくださる主

日本も大変な時代を迎えています。自分たちのことで精一杯という現実が私たちの上にも重くのしかかっています。多くの人が家計を考えて1円のポイントも残さず集め、10円でも安い品を手に入れようと必死にチラシやコンピューターを検索しています。自らもさまざまな状況に耐える中で、皆様がイスラエルに目を向けてくださっていることは、聖霊さまの促しによるものとしか思えません。神の民を愛する、無条件の愛がそこに見えます。主は言われました。「わたしの弟子だというので、この小さい者たちのひとりに、水一杯でも飲ませるなら、まことに、あなたがたに告げます。その人は決して報いに漏れることはありません。」（マタイ10：42）聖書が語る「決して報いから漏れることない方々」が皆様です。皆様が捧げてくださる犠牲を覚えて、日本の子どもたちも主が養ってくださることを信じて祈ります。そして、「すべてのことは、あなたがたの益であって、恵みがますます多くの人に増し加わるにつれ、感謝が満ちあふれて、神の栄光となるのである（Ⅱコリ4：15／口語訳）」と書かれている通り、皆様のイスラエルの民への奉仕が、神の栄光となって日本に及ぶことを確信します。