ホーム > 祈る > ハイメール通信 登録・停止 > バックナンバー > ハイメール通信No. 40 ガザのラファという町
イスラエル軍はガザのラファ難民キャンプに大規模な侵攻を行いました。民間人の犠牲、家屋の破壊など、国際世論からの激しい批判を受けています。
アシュケロンは見て恐れ、
ガザもひどくおののく。エクロンもそうだ。
その頼みにしていたものが
はずかしめられたのだから。
ガザからは王が消えうせ、
アシュケロンには人が住まなくなる。(ゼカリヤ9:5)
5月17日、イスラエル国防軍(以下IDFと略す)はガザ南部、エジプトとの国境付近の町ラファに侵攻を開始しました。
戦車隊、ヘリコプターを伴った歩兵連隊が3部隊という大規模な軍事侵攻でした。
作戦の目的は、ラファにある武器密輸トンネルの撲滅であると、イスラエル政府は発表しています。
しかし、作戦の背後には今月はじめに起こった11人のイスラエル兵爆死、ガザ入植地の一家惨殺も大きく影響しているとも言われています。
24日、IDFは作戦を一段落させ、撤退しましたが、小規模な作戦は続行する模様です。この作戦の結果について、IDFスポークスマンは下記のように発表しました。(IDFのHPより)
UNRWA(国連パレスチナ難民救済機関)によると今回の作戦だけで575人がホームレスとなりました。
巻き添えで死亡した民間人は12人(10歳以下の子供を含む)。この数字はイスラエル軍の発表と合致しています。
子供たちの巻き添えについてイスラエル政府は遺憾と謝罪を発表しています。子供たちは、イスラエル軍へのデモ隊に混じっていたときに犠牲となりました。
デモ隊には、狙撃手が混入しており、群衆の中から、見えない狙撃手が発砲していました。イスラエル空軍が、威嚇として空き地に発射したミサイルによる犠牲であった模様です。
UNRWAは先月の被害状況についても合わせて報告しています。計180件の家屋が破壊され、1960人がホームレスになったと発表しています。今までに計2000人以上がホームレスとなりました。UNRWAは引き続き救援活動を行っています。IDFも独自の救援活動を展開しています。
国連は家屋破壊を国際法に違反すると批判しています。
トルコ政府はイスラエルのガザにおける作戦に「国家テロ」であると批判。大使を呼び戻すことを発表しています。
UNRWAは、1948年のイスラエル建国に伴って発生したパレスチナ難民に対する救援活動を行っている国連機関です。
難民のUNRWAへの登録は1949年当初91万人でしたが、現在ではその子孫も含めて400万人にも上っています。UNRWAは継続してパレスチナ住民への支援を行っています。
日本もUNRWAを通じて、救援物資を送っています。驚いたことにUNRWAのホームページの中に、武器密輸に関する記載はいっさいありません。ホームレスとなった難民の姿だけが強調されています。
UNRWAホームページ(日本語)
イスラエルのテレビ局「チャンネル10」は、UNのマークをつけたUNRWAの救急車に武装パレスチナ人が乗り込む映像を放送しました。
ロイターも同様の現場を撮影しています。これは5月11日、イスラエル兵が爆死した日に撮影されたもので、イスラエル政府はUNWRAの救急車がテロリストやイスラエル兵の遺体の一部を移送したのではないかと考えています。
これに対し、UNWRAの事務局長ハンセン氏は、イスラエル政府は、あらぬ疑いをかけたことを謝罪すべきだと述べています。
2002年8月、ハマスのメンバーでUNRWAの救急車の運転手として働いていた人物が逮捕されました。テロリストや武器、メッセージなど自由に密輸していたことを自白しています。
ガザのUNRWAスタッフとして働いていたアフマド・アタラーは、UNRWAの車両で武装勢力の送迎、爆弾の移送をしていたことで逮捕されています。(イスラエル・インサイダー5月27日)
ラファはガザ地区南部に位置し、エジプトとの国境線に接しているパレスチナ人難民キャンプです。
トンネルは、エジプトから国境線(フェイラデルフィ道路)の下を通ってガザ地区のラファに開口しています。トンネルはテロリストが武器のみならず、麻薬の密輸などにも利用されています。
イスラエル軍はたびたび侵攻を繰り返し、トンネルの摘発、破壊を行ってきました。
2002年には34本、2003年には40本、2004年に入ってからもすでに11本が摘発されています。エジプト政府も2003年だけで30本のトンネルを検挙しています。
ラファでは1980年から、トンネルによる密輸が始まりました。ラファの密輸業者はいまやトンネルのエキスパートとして、武器や資金をテロ組織に調達しています。
イスラエルの摘発を避けるため、一般家屋の室内にトンネルの出入り口を作り、子供たちに密輸業をさせています。
ラファの住民は自宅をトンネルの出入り口に開放することにより、生活の糧を得ています。密輸のコストは一人のテロリスト移送につき1,000ドル(一例)でその一部が協力者に支払われます。(イスラエル外務省HP)
シャロン首相は、「ガザ撤退」を4段階に分けて実施し、2005年までに撤退を完了するという方策をとりまとめました。
具体的にはまずガザにある3カ所の入植地から撤退します。フィラデルフィ道路など危険な地域はじめ、治安はイスラエル軍が引き続き監督するという内容です。
30日(日)に国会へ提出、審議投票が行われる予定でした。
しかし、27日(木)に閣僚に対する前調査段階では、あまりよい反応が得られなかったため、シャロン首相は日曜の国会では、投票は行わないことを発表しました。
シャロン首相は国会のあと、政権のワイングラス氏をアメリカに派遣し、今後の方針について会談を予定しています。(ハアレツ5月29日)
5月25日から28日まで、イスラエルでは「シャブオット」という祭りが祝われました。
出エジプトから50日目、シナイ山で、十戒(モーセ五書)を与えられたことを記念しています。
クリスチャンはちょうど同時期に、「ペンテコステ」として聖霊が与えられたことを祝います。
イスラエルではコシェルという食物規定があります。肉と乳を一緒に食べることは許されていません。
十戒を与えられたとき、シナイ山では、肉を料理することができなかったため、イスラエル民族は乳のみを食べたと言われています。これを記念して、シャブオットにはチーズやヨーグルトなどの乳製品を食べます。
今年も特大のチーズケーキを作る催しがありました。50万人以上の人がピクニックに出かけました。
…しかし、今は、私たちは自分を捕らえていた律法に対して死んだので、それから解放され、その結果、古い文字にはよらず、新しい御霊によって仕えているのです。(ロマ7:6)
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