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ハイメール通信No. 46 重要!とりなし事項イスラエルの買春産業

しかし、モーセは、彼の神、主に嘆願して言った。「主よ。あなたが偉大な力と力強い御手をもって、エジプトの地かつれだされたご自分の民に向かって、どうしてあなたは御怒りを燃やされるのですか…。」
すると主は、その民に下すと仰せられたわざわいを思い直された。(出エジプト 32:11-14)

イスラエルは決して聖なる国なのではなく、他の国々と同じく闇の部分をもっています。年間3,000人もの女性が外国から連れてこられて、人権をはるかに無視した性風俗業に従事させられています。イスラエルには、これを取り締まる明確な法律がつい最近までなかったため、買春産業は事実上野放し状態でした。

今回の内容はかなりショッキングですが、私たちはイスラエルの闇の部分をも知って取りなしていかなければなりません。犠牲となっている女性たちの解放と救いのために、また主の前にこのような悪を行っているイスラエルのため、主にとりなしましょう。



■ イスラエルの人身売買事情

イスラエル法務省のラピッド氏の発表によると、現在国内にいる売春婦の数は約3,000人。

その多くが、ウクライナなどの旧ソビエト連邦から、連れてこられた女性たちです。女性たちは、奴隷に近い状態で、人権をはるかに無視した状態で働かされています。

イスラエルでは4年前から、8月16日を「人身売買と戦う日」として、民間団体がこの問題をようやく取り上げ始めました。

きっかけは、8月16日に、テルアビブの売春宿が火事になり、中に監禁されていた女性4人が犠牲になったことでした。現在、「外国人労働者ホットライン」など民間のボランティア団体が、女性たちの救済にあたっています。

イスラエルの買春問題は1990年代に浮上していましたが、イスラエル政府がこれをとりしまる法律を策定したのは2003年になってからのことです。

悲惨な実態

ラピッド法務相の報告によると、女性たちは18~35歳、ほとんどは、モルドバ、ウクライナ、ロシア、ベラルーシ、ウズベキスタンから来ています。人身売買を行っているのは、ロシア系のイスラエル人がほとんどであるということです。

女性たちは「高齢者の介護」などと偽りの就職先を斡旋されて、雇われます。また買春をすると知って来る女性もいますが、客の数は限られ、月に1000ドルは稼げる、また将来は売春をやめることもできると言われて承諾してイスラエルに来ます。

彼女たちは、まずエジプトへ連れて行かれ、ベドウィンの密輸業者に渡されて、歩いてイスラエルの領内へ連れていかれます。これは密輸業者が、武器の密輸などに使うルートです。この道中で女性たちは、買春業者に売られていくことを聞かされ、多くが道中でレイプされるということです。

イスラエルに入ると女性たちは、売春業者の間でオークションにかけられます。オークションでは、複数のバイヤーたちの前で全裸となり、体中を調べられ、動物のように値段が決められます。(4,000~10,000ドル)。悲惨な例では、マクドナルドの男性用トイレの中で、全裸にされ、値踏みされた女性もあります。

ある女性の証言では、一回150シェケル(3,000程度)で客をとらされます。うち女性の手に残るのは、20シェケル。この中から、食事代と、避妊用のピルを購入しなければなりません。

妊娠してしまった場合は、もぐりの中絶医に連れていかれます。病気をした場合は、獣医につれていかれます(保険がないため、人間の医者にはかかれない)。

女性たちは、パスポートを没収されていて、逃げることができません。また、逃げたら家族の身に危険が及ぶことを脅されます。警察に訴えようとしてもその警察官自身が買春をしにくる客になっていた、などということもありました。

密入国などの費用は、女性自身に課され、女性の借金となりました。もちろん莫大な利子がつくので、返済は不可能です。

問題は、イスラエルが買春における大変大きな市場になっているという事実です。

調査によると、毎月100万人(同じ人物が重複していると思われる)が買春宿を利用しています。このため、毎年3,000人の女性を調達する必要があるのです。

客は、兵士(ディスカウントあり)から正統派のユダヤ人まで幅広くやってきます。正統派ではキッパをはずしてから女性と関係を持ち、終わるとまたキッパをつけて、帰っていくと言います。

女性を密輸するためは、年間2億1,000万ドルが使われていますが、女性たちは年間6億2,000万ドルを稼ぐと言われています。

2001年、アメリカ国務省は、イスラエルを人身売買の世界ワースト3にあげました。イスラエル政府はアメリカから人身売買容疑者のブラックリストを入手し、ここ2年間で、売春宿200件、買春斡旋業者150人を検挙しています。しかしその後も状況は悪化を続け、現在はワースト2になっています。(イスラエルインサイダー、エルサレムポスト8月16日、ジューズウイーク)

FOXテレビ(アメリカの有力テレビ局)によるビデオ・レポート(英語)
Human Trafficking in Israel


■ ホットラインからの報告

NGO団体の「海外労働者ホットライン」では女性たちの救済を行い、法廷で証言することを勧めています。それによって犯罪組織を一掃するためです。

ホットライン代表者のノーミさんによると、ほんの5年前まで、女性の売買はイスラエルの法律に全くふれることがありませんでした。警察に助けを求めても相手にされないだけでなく、被害にあった女性は犯罪者とみなされて、強制送還されるのが関の山でした。犯罪にまきこまれ、ごみのように殺害される女性もありました。

最初はボランティアで被害者救済の仕事をはじめたノーミさんは、いまでは日に4時間しか寝ることのできないほどの忙しさになっています。ノーミさんは自分の命の危険をも覚悟の上で、この仕事を続けています。

以下はルーマニアから連れてこられ、ノーミさんの救済を受けたアナさんの証言です。

2001年、ルーマニア人のアナさん(23歳)は自国でイスラエル人女性のシュアからイスラエルでの高齢者介護の仕事をあっせんされました。

就職を決めたアナさんはエジプトで他の女性たちと合流、ベドウィンに連れられて、歩いてイスラエルの国境を通過しました。途中でのレイプはのがれたものの、屈辱的なオークションにかけられ、イスラエル人買春業者に買われていきました。

買春宿でアナさんは一日13時間働き、休みは一日もありませんでした。客取りを拒否して聖書を読み、祈ろうとしました。斡旋業者は聖書を投げつけて、「ここは教会じゃない!」とアナさんを殴ったと言います。

アナさんはイスラエルに連れてこられるとき、偶然、空港でイスラエル人の警備員に職務質問されていました。彼はアナさんの様子がおかしいことに気づき、携帯電話の番号を彼女に渡していました。

買春宿に来てから3週間後、アナさんはこの番号に電話をかけることができました。警備員は、客をよそおって忍び込み、この売春宿を検挙しました。アナさんは、2002年、ノーミさんの支援を受けて、事実を法廷で証言しました。

アナさんのように直接大量検挙となる例は実際はあまりありません。警察ではなく、むしろホットラインに救いを求めてくる女性が増えているということです。

ホットラインでは女性たちが被害を法廷で証言するためのサポートを行います。買春の実情が明らかになるにつれて、ホットライン側の訴えを警察もとりあげてくれるようになってきているといいます。

証言することを決心した女性たちを保護するため、警察は特別の宿泊施設を設けています(現在約40人が待機中、待機期間は長くて1年)。警察に加えて、ボランティアが女性たちの身柄の安全を守っています。

ホットラインでは、彼女たちを定期的に訪問し、女性の権利を教え、必要な医療的ケアを受けさせます。月150シェケルのポケットマネーも支給しています。定期的に訪問する目的は、時に売春あっせん業者が女性たちにゆすって、連れ戻しにくる可能性があるからです。祖国の家族に危害を加えると恐喝されて、ある日突然消えてしまう女性が時々あるからです。

ノーミさんは、女性たちを励まし、少しでも笑顔が戻るのをみるのが最高のことだと語っています。ノーミさんのデスクには幸せそうな一枚の結婚式の写真がかざられています。花嫁はアナさん。法廷で証言した後、彼女を救った警備員の青年と恋に落ち、結婚したのでした。(ジュース・ウイーク「No way out」2004年3月19日)

<祈り>

  1. イスラエルは買春だけでなく、中絶の数においても、世界有数となっています。
    エルサレムでは、ゲイが堂々とパレードを行います。
    麻薬の売買も行われています。
    ありとあらゆる罪を他の諸国と同様に、イスラエルも負っています。
    主の目に悪を行っているイスラエルを主が哀れんでくださり、国全体に厳しい裁きをくだされませんように。
  2. 今も犠牲となっている女性たちが解放されるように。
    福音が届けられるように。
    証言を決めた女性たちのところに、福音が届けられるように。
  3. 買春の実態が野放しにされてきた中で、良心をもって立ち上がっているイスラエル人たちが起こされていることは本当に感謝なことです。
    ノーミさんたちの働きが祝福されるように。
    スタッフが救われるように。
  4. あっせん業者たちに主へのおそれが起こり、悔い改めに導かれるように。
    売春業者がつぶされるように。

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