ツアー体験談

神戸 聖志先生 (神の家族キリスト教会クリスチャンライフ)

「聖地にいる一日は他の場所にいる千日に勝る。」これは、私が学んだ聖書学校のメシアニック・ジューの先生がよく口にしていたことばです。実際、私の周りにいるイスラエルを訪れた人たちは口を揃えて、「イスラエルへ行き、イエスさまの足跡をたどって聖書が立体的に読めるようになった、感動を覚えた」と言っているのを聴いてきたので、私もZIONを通してイスラエルの地へと足を踏み入れることに強い期待を抱いていました。ところが、実際にガリラヤ地方を訪れてカペナウムやガリラヤ湖へ行っても自分の内に驚くほど何も無く、自分でも焦りを感じるほどでした。しかし、エルサレムに入り、ホロコースト博物館を訪れて本当に大きなショックを受けました。

ホロコーストを通してユダヤ人がどれほどの迫害を受けたのかは漠然と知っているつもりでいたが、博物館内に展示されている写真や資料、またガイドの亨子さんの説明を通してその凄惨(せいさん)さ、恐ろしさに胸が締め付けられるようでした。人間はここまで残酷になれるのか、という衝撃と、それでもなお自分たちの信仰を貫き通したユダヤ人たちの信仰の姿勢に圧倒される思いがしたのです。その中で特に印象的だったのは、亨子さんが語った現代のユダヤ人たちの考え方についての説明です。

「ユダヤ人たちは歴史を通じて何度も大きな迫害を経験してきましたが、そのたびに誰も彼らの味方となり、手を差し伸べて助けてくれる民族がいませんでした。だから彼らは自分たちの身は自分たちで守らなければならないと考えているのです。現実にユダヤ人たちは、イスラエルの最大支援国であるアメリカでさえあてにすることは決してありません。それはこのような歴史を通じてユダヤ人たちが得た教訓だからです。」

この説明を聴き私は、「寂しいな」と思いました。聖書には隣人を愛することが命令として書かれているが、ユダヤ人たちには良き隣人が歴史を通じて少なかったことを思わされたからです。

その日の夕方、ベンヤフダ通りで路上賛美を行う予定になっていました。スケジュールがちょうどイスラエル総選挙の日と重なっており、賛美をする予定の通りには多くの人々が歩いていました。最初に日本語で賛美を一曲歌った時から、本当にたくさんの方々が足を止めて最後まで聞いてくださいました。そして予定の演目をすべて終えた後、予想外のアンコールが起きたため、急きょハティクバを歌ったのですが、その時、多くの人々の表情が余興を楽しむような笑顔から真剣な表情に変わったことが印象的でした。歌い終わるとたくさんの人々が拍手喝采で喜んでくれましたが、その中である女性が、「イスラエルの側に立ってくれてありがとう!」と叫んだ声を聞いて、彼らが良き隣人を求めている声のように聞こえました。

翌日の午前は観光ではなく、BFPが支援する女子高の訪問とフードバンクの訪問があり、高校に行く前に現地スタッフのダニエルから訪問時の注意と、彼が実際にイスラエルに住んでユダヤ人との架け橋となる働きを通じて何を感じているかを短く分かち合ってくれました。その中で彼は、「ユダヤ人たちは言葉だけの愛を信じていない。彼らは私たちの行動を何年もじっと見ていて、その結果私が本当にどういう者なのか、彼らを愛する者なのかを判断する。そういう意味で細い道の上を落ちないように歩いているような緊張を覚える時がある。だから、現地のスタッフのためにも祈ってほしい」と語ってくれました。このダニエルの言葉が、前日までのスケジュールの中で経験したこととつながって、何か胸の中に強く響いていました。そして聖墳墓教会を訪れ、教会の前で皆と一緒に祈っている中で強く、イエス・キリストは十字架の業を通して、あがないのための犠牲となることを通して真実に愛を示されたのだという感動が与えられたのです。

「キリストは、私たちのために、ご自分のいのちをお捨てになりました。それによって私たちに愛がわかったのです。ですから私たちは、兄弟のために、いのちを捨てるべきです。」  (Ⅰヨハネ3:16)

イエス・キリストはユダヤ人に対する愛を彼らが求める方法で既に示されていたこと。既に彼らの良き隣人となられていること。そして、一人のクリスチャンとして私も愛されていて、愛する者となるように召されていること。さまざまな思いが心の内を駆け巡り、「自分は本当に愛する者となれているだろうか」と考えさせられました。

「子どもたちよ。私たちは、ことばや口先だけで愛することをせず、行いと真実をもって愛そうではありませんか。」(Ⅰヨハネ 3:18)

ZIONに参加する前から、教会では、イスラエルとユダヤ人の救いのためにこれまで祈り続けてきました。しかし、このツアーを通してイスラエルのために、ユダヤ人の救いのために何を祈らなくてはならないのかをはっきりと見ることが出でき、ますますこのために祈らなくては、という思いがもう一度強く与えられました。

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